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もろ過ぎた「医療大国」の内実 病床逼迫は長年の政策のツケ

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重症患者の増加を受け、医師(左)から人工呼吸器の挿管の指導を受ける看護師たち=大阪市住吉区の阪和第二病院で2020年11月26日、久保玲撮影
重症患者の増加を受け、医師(左)から人工呼吸器の挿管の指導を受ける看護師たち=大阪市住吉区の阪和第二病院で2020年11月26日、久保玲撮影

 新型コロナウイルス禍の出口が見えない。昨年から始まった「感染第3波」では、多くの地域で医療スタッフや病床が不足し、病院に入院できずに自宅で亡くなるケースが相次いだ。思えば、日本は医療へのアクセスの良さから「医療大国」と呼ばれていたのではなかったか。なぜ医療崩壊と言うべき事態を招いてしまったのか。社会保障法が専門で、現在の医療状況を「長年の医療政策のツケが回ってきた」と指摘する鹿児島大学の伊藤周平教授に詳しく話を聞いた。【上東麻子/統合デジタル取材センター】

 ――医療提供体制が逼迫(ひっぱく)した背景には、国の医療費抑制策があると指摘されています。どういうことでしょうか?

 ◆新型コロナ対応の中で現在大きな問題になっているのが、「感染症指定医療機関」や「感染症病床」の不足です。結核などの感染症の患者が減ってきたことを理由に、政府はこの20年間、感染症指定医療機関や感染症病床を削減してきました。全国に約8300ある病院の総数に対して、新型コロナに対応できる第2種感染症指定医療機関は351(1758床)しかありません。そのほとんどは公立など公的病院が担っています。感染症病床は、病室の空気が外に漏れないようにするなどの設備が必要ですが、1996年の伝染病床9716床から激減しています。そもそも病床全体で1999年から2019年までの間に約25万2400床が削減されているのです。感染症はインフルエンザなど毎年流行するものの他にも、さまざまな新興・再興感染症があります。患者全体は減っていないのに、…

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【新型コロナウイルス】

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