LINE、中国からのアクセス遮断も…政府・自治体の利用停止広がる

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無料通信アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能だった問題を受け、記者会見の冒頭に陳謝するLINEの出沢剛社長=東京都港区で2021年3月23日午後7時35分、玉城達郎撮影
無料通信アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能だった問題を受け、記者会見の冒頭に陳謝するLINEの出沢剛社長=東京都港区で2021年3月23日午後7時35分、玉城達郎撮影

 無料通信アプリ「LINE(ライン)」の個人情報管理に不備があった問題で、政府や自治体による利用停止が広がっている。情報管理を巡る「中国リスク」を排除するため、ラインは中国からのアクセスを完全に遮断。韓国に保管している画像などのデータも国内に移転するという方針転換を迫られた。【道永竜命、後藤豪、松倉佑輔】

 「自殺対策の情報発信や海外からの入国者の健康観察などに使っている。代替措置で支障がなければ、ラインの使用を停止したい」。田村憲久厚生労働相は23日の記者会見で、ラインを活用している業務の一例を挙げ、一部は電子メールによる運用に切り替えたことを明らかにした。

 17日に発覚したライン利用者の個人情報管理に関する問題は、政府全体に波紋を広げた。小此木八郎防災担当相も23日、ラインで防災情報を提供する公式アカウント「内閣府防災」について「情報管理上の懸念が払拭(ふっしょく)されるまでの間、利用を停止する」と説明した。

 地方自治体にも使用停止の動きが広がる。大阪府は個人情報を扱う事業において、ラインの使用を停止するよう庁内に通知。そのため、小中学生や高校生から毎週月曜にラインで受け付けてきた相談業務を22日は急きょ中止した。相談の内容が学校での悩みやいじめに及び、個人情報を扱うからだ。担当者は「環境が変わる年度初めは子どもへの注意が特に必要な時期。電話やメールなどで相談業務は続けたい」と語った。

 このように社会インフラとしてラインが定着したのは、無料通信アプリの草分けとして加入者を集め、圧倒的なシェアを獲得するまでに至ったからだ。2011年にサービスを始め、スマートフォンの普及とも重なって国内利用者は約8600万人に達する。ラインなどのSNS(ネット交流サービス)は、加入者が多いほど広告などからの収入も増えていく。

 便利で利用者が多いラインの活用を前提にしている自治体や企業にとっては、…

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