サウジ外交仕切り直しのバイデン政権 中東版NATOの動きも

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サウジアラビアの人権活動家ルジャイン・ハズルールさん=リヤドで10日、ロイター
サウジアラビアの人権活動家ルジャイン・ハズルールさん=リヤドで10日、ロイター

 米国のバイデン政権が、中東政策を大きく転換している。トランプ前政権はサウジアラビア、イスラエルを偏重し、イランの脅威をあおってきた。だが、バイデン政権は、イランを含めた地域安定のための協議を行う方針だ。サウジ、イスラエルは今後、米国にどう向き合うのか。米国の対イラン政策をけん制するため、中東版NATO(北大西洋条約機構)構想も、議論が始まった。

 「胸いっぱいの感謝とともに帰還。けれど、1001(日間の拘束)の失望で心に痛手を負いました」。サウジの著名な女性人権活動家、ルジャイン・ハズルールさん(31)は2月上旬に釈放された数日後、自身の公式ツイッターへこう書き込んだ。添えられた顔写真は笑顔だが、白髪が目立ち、見るからにやつれている。

 ハズルールさんはサウジ国内で女性の権利向上を訴える活動をしてきたが、2018年5月に拘束された。20年にはノーベル平和賞の候補に推薦されるなど、サウジの人権侵害の「象徴」とされる。収容施設では、サウジの実権を握るムハンマド皇太子(35)の元側近が立ち会い、拷問も行われたとされる。

 人権外交の強化を掲げるバイデン政権は、サウジに厳しい政策を矢継ぎ早に打ち出した。イエメン内戦では、サウジの空爆が多くの民間人死者を出していることから、2月上旬にサウジの攻撃に対する米国の支援を「全て打ち切る」と発表。サウジと敵対する親イラン武装組織「フーシ派」のテロ組織指定も解除した。

 ムハンマド氏は、ハズルールさんの釈放で「バイデン政権の意向に沿う」というシグナルを送ったとみられる。だが…

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