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成長ではなく「正義」を 水野和夫さん、古川元久さんが新刊

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水野和夫・古川元久「正義の政治経済学」
水野和夫・古川元久「正義の政治経済学」

 「コロナバブル」で貧富の格差が拡大し、社会の分断が民主主義を行き詰まらせる中、我々の目指すべき未来とは――。「資本主義の限界」に警鐘を鳴らしてきた経済学者の水野和夫さんと、衆院議員の古川元久さんの対談本「正義の政治経済学」(朝日新書)が刊行された。政治と経済が抱える課題を歴史的視点から洗い出し、経済成長を前提としない社会の構築を提言している。刊行に合わせて、改めて2人に語り合ってもらった。【構成・関雄輔】

資本主義のあり方、見直す動き

 ――2013年に2人で「新・資本主義宣言 7つの未来設計図」(毎日新聞出版)と題した本をまとめていますね。さまざまな分野の方を招いて、グローバル化や新自由主義の問題、今後の社会像について議論する内容でしたが、その後の社会の変化をどう見ますか。

 古川 経済成長は、成長自体が目的ではありません。成長は手段であって、目的は人々が幸せになることのはずです。民主党政権時代に国民の幸福度の調査をしましたが、お金があるだけでは人は幸せにはなれない。幸福を感じる成長を考える必要があります。「新・資本主義宣言」は、そうした「成長の質」を問おうと始めた勉強会での議論をまとめた本でした。

 水野 残念ですが、この8年で社会は何も変化しなかったように感じま…

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