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河井議員が辞職表明 買収の全容説明すべきだ

 公職選挙法の買収の罪に問われた元法相の河井克行衆院議員が、裁判で一転して買収を認め、議員を辞職する意向を表明した。

 遅きに失した対応だ。

 民主主義の根幹を揺るがす巨額買収事件である。法の秩序を維持する法務省のトップを務めた経験もある。それが、起訴されても国会議員の座に居座るのは、国民の理解が得られない。

 疑惑発覚後、国会議員としての仕事をほとんどしていないのに歳費を受け取ってきたのも問題だ。

 妻の案里元参院議員は既に議員を辞職し、有罪が確定している。

 克行議員は案里元議員が初当選した一昨年の参院選で、地方議員や首長ら100人に総額2900万円を渡したとして起訴された。初公判では、選挙運動の報酬ではないと無罪を主張していた。

 なぜ、ここに来て主張を一転させたのか。

 裁判では、現金を受け取ったとされる100人のほとんどが、買収の趣旨だと思ったと証言した。

 案里元議員への判決では、克行議員が一連の現金提供を主導したと認定されている。

 克行議員は追い込まれた状況だった。きのうの被告人質問で「妻の当選を得たい気持ちが全くなかったとは言えない」と述べた。

 補欠選挙の回避を狙ったのではないかとの指摘も出ている。今月15日までに辞職しなければ、補選は実施されないという公選法の規定を利用したように映るからだ。

 克行議員は今月、保釈されている。買収を認めた以上、裁判だけでなく、国会や記者会見でも経緯を詳しく説明する必要がある。

 陣営には自民党本部から、1億5000万円もの選挙資金が提供されていた。一部の現金提供については、党の資金が原資だったとの証言が裁判で出ている。

 自民党にも真相を解明する責任がある。だが、総裁の菅義偉首相は「検察に押収された書類が返還され次第、党の公認会計士が監査する」と述べるにとどまり、真摯(しんし)に取り組む姿勢を見せない。

 二階俊博幹事長は「他山の石として、しっかり対応していかなくてはならない」と語り、まるで無関係だと言わんばかりだ。

 夫妻の議員辞職で幕引きにはならない。

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