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皇位継承の有識者会議 国民的議論が欠かせない

 安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議が初会合を開いた。オープンで、国民が納得できる議論が求められる。

 2017年に成立した退位特例法の国会付帯決議は、皇位継承の議論を退位後速やかに行うよう政府に求めている。

 天皇陛下より若い皇位継承資格者は皇嗣(こうし)の秋篠宮さま(55)と長男悠仁(ひさひと)さま(14)の2人だけだ。

 しかし、安倍前政権は19年4月30日の上皇さまの退位以降も議論を先延ばしにしてきた。喫緊の課題を避けてきた政治の責任は極めて重い。

 先送りの背景には、安倍前政権の支持基盤である保守派が、皇族の女性が皇位を継承する「女性天皇」や、父方に天皇がいない「女系天皇」に強く反対していることがある。

 菅政権下で設置された有識者会議のメンバー6人のうち2人は、上皇さまの退位をめぐって設けられた有識者会議と重なる。政権との距離を懸念する声がある。政権の意向にとらわれず、自由な議論をすることが大切だ。

 各種世論調査では、女性・女系天皇を容認する意見が7割前後に上っている。有識者会議はこうした世論も踏まえつつ、女性・女系天皇について議論を深めるべきだろう。

 自民党内には、戦後に皇室を離脱した旧宮家出身の男系男子を皇籍に復帰させる案もある。しかし、離脱後70年以上たち、皇族の教育も受けていない人たちが皇位継承資格を持つことに国民の理解は得られまい。

 皇族の減少も深刻だ。皇族が減れば、それぞれの負担が重くなり、皇室活動の維持も難しくなる。

 だが、女性皇族が結婚後も皇族として残るために女性宮家を創設することには、女系天皇の容認につながるとして自民党保守派が反発している。結婚後に「皇女」として公務を委嘱する制度を創設する案もある。

 大島理森衆院議長は昨年12月に「菅内閣の下で国民の理解と共感が得られる結論が出ればいい」と述べた。そのためには政治的な立場を超えた議論が欠かせない。

 菅義偉首相は責任の重大さを認識し、国民的議論を経て広く理解を得られる結論を示すべきだ。

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