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海外特派員がそれぞれの赴任先の「街角」で感じたことを届けるコラム。

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悲しきエルサレム エルサレム支局・高橋宗男

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解体された自宅跡で涙するシャヒーラさん(中央)と次男アフマド君(右)、親類のアフマド君(左)=東エルサレムで2020年12月30日午前、高橋宗男撮影
解体された自宅跡で涙するシャヒーラさん(中央)と次男アフマド君(右)、親類のアフマド君(左)=東エルサレムで2020年12月30日午前、高橋宗男撮影

 「壊されるために建てたようなものね」

 女手一つで息子2人を育てるパレスチナ人のシャヒーラ・ガイトさん(49)のほおに涙が伝った。

 東エルサレム・シルワン。エルサレム旧市街にほど近い急な斜面の一角に6年前、土地を買った。母子家庭への助成金と高齢者世帯の手伝いで生計を立てるシャヒーラさん一家が、ようやく建てたマイホームに引っ越したのは昨年10月のことだ。

 だが、ささやかな幸せも長くは続かない。冷たい雨が降る昨年12月21日朝、エルサレム市当局に「翌日までの解体」を告げられた。許可がない違法建築が理由。市が解体する場合の費用7万シェケル(約230万円)を支払う余裕はなく、集まった親類の手で小さな家は解体された。

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