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第103回全国高校野球選手権

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第93回選抜高校野球 智弁学園8-6大阪桐蔭 智弁学園、攻め真骨頂

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【智弁学園-大阪桐蔭】六回裏智弁学園無死一、二塁、前進守備の中、森田がバスターで中前適時打を放つ=藤井達也撮影 拡大
【智弁学園-大阪桐蔭】六回裏智弁学園無死一、二塁、前進守備の中、森田がバスターで中前適時打を放つ=藤井達也撮影

 <2021 第93回センバツ高校野球>

第4日(23日・阪神甲子園球場)

 智弁学園が序盤から主導権を握り、点の取り合いを制した。一回に大阪桐蔭の先発・松浦の立ち上がりを捉え、植垣の3点二塁打などで4点を先取。六回には敵失や森田の適時打などで3点を加えた。大阪桐蔭は五回まで1安打に抑えられた打線が中盤以降追い上げたが、最大5点差が響き、追いつくことができなかった。

意表バスター、突き放す

 ポッカリと空いた二塁ベース右側を打球が転がっていった。2点差に迫られた直後、六回の智弁学園。「取られた点は取り返す」という7番・森田のバスターに、強力打線の「本質」があった。

 六回無死一、二塁で右打席へ。送りバントのサインが出たが、一塁手の猛チャージを受けて初球のスライダーはファウルになった。再び小坂監督を見ると「(打ちに)行け」という目配せ。考えた末に選択したのがバスター。初球と同じように一塁手は本塁へ猛チャージし、二塁手は一塁へベースカバーへ。してやったりだ。「1球目に失敗したからまた同じ球で来る」と狙い通りにスライダーをはじき返した。二塁走者に続き、悪送球で一塁走者も生還。この回はさらに1点を加え、計3点を奪って再び突き放した。

 一回も無死一塁から送りバントをせず、その後、6番・植垣の3点二塁打などで4点を先取。昨秋の近畿大会決勝で大阪桐蔭を破り、挑戦を受ける立場だが、この日は立ち上がりから常に攻め続けてきた。だからといって無謀な攻撃ではない。好投手をそろえる相手に5、6点勝負と見るほど「打線には自信がある」と小坂監督は、根拠を持っていた。

 昨秋の対戦では、1年夏に甲子園で4番を務めた前川が本塁打を放つなど経験豊富な「主力」の本塁打で勝利したが、再戦で光った森田と植垣は昨秋から先発出場してきた選手だ。「冬場、試合を想定して1球で仕留める練習をしてきた」と森田。主力ではない選手の成長によって強力打線が重厚になったことを、“最強”の挑戦者に打ち勝ったことで証明した。【安田光高】

大阪桐蔭、真価遠く 9四死球5暴投、守備乱れ

一回裏智弁学園1死満塁、植垣(左奥)に左翼線3点二塁打を打たれ、打球の行方を見る大阪桐蔭先発の松浦=藤井達也撮影 拡大
一回裏智弁学園1死満塁、植垣(左奥)に左翼線3点二塁打を打たれ、打球の行方を見る大阪桐蔭先発の松浦=藤井達也撮影

 近年、甲子園で無類の強さを誇ってきた大阪桐蔭にとって、らしからぬプレーの連続だった。象徴的だったのが、七回1死満塁。智弁学園の7番・森田の打球が遊撃手・藤原の真正面に転がった。誰もが注文通りの「遊ゴロ併殺」と思った瞬間、藤原は打球をつかみ損ね、自ら二塁ベースを踏んで一塁に送球するも間に合わない。その間に三塁走者が生還し、致命傷となる8点目を失った。

 投手陣が許した安打は6本にもかかわらず、8失点。エース左腕・松浦が立ち上がりの一回に3四死球と乱れて4失点すると、その後4人の投手をつぎ込みながら計9四死球に5暴投と乱れたリズムは止まらない。

 鍛え上げた守備にも影響した。六回には外野からの返球が乱れ、追加点につながった。中堅から悪送球した主将の池田は「自分のミス」と責任を背負い込んだが、流れをつかめずに浮足立っていたのは明らかだった。

 3年生が甲子園でトーナメントを戦うのは今大会が初めて。1年夏から甲子園を経験する智弁学園のエース・西村らと比べて「経験不足だった」と池田。「試合運びが全然だめ。もっと練習を積み重ねたい」と言葉を続けた。大阪桐蔭の甲子園での敗退は、2017年夏の3回戦までさかのぼる。敗戦を糧に翌18年に春夏連覇を果たした当時のチームのように、再び立ち上がることができるか。【伝田賢史】


 ○…1回戦…○

 △午前11時40分開始(観衆9500人)

大阪桐蔭(大阪)

  000002130=6

  40000310×=8

智弁学園(奈良)

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