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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月9日~25日)の特集サイトです。

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第93回選抜高校野球 市和歌山1-0県岐阜商 市和歌山、決め球自在

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【市和歌山-県岐阜商】被安打4に抑えて今大会完封一番乗りした市和歌山の小園=久保玲撮影 拡大
【市和歌山-県岐阜商】被安打4に抑えて今大会完封一番乗りした市和歌山の小園=久保玲撮影

 <2021 第93回センバツ高校野球>

第4日(23日・阪神甲子園球場)

 市和歌山が投手戦を制した。互いに無得点の九回、市和歌山は1死から平林の中前打と四球で一、二塁とし、7番・亀井の中前打でサヨナラ勝ちした。先発・小園は変化球を巧みに使い、被安打4で完封。県岐阜商も野崎、松野の継投で踏ん張ったが打線にあと1本が出ず、八回2死一、三塁の好機を逃したのも痛かった。

完封、裏かくスライダー

 鋭いキレ味と分かれば、すぐさま決め球に採用した。今大会注目の右腕・市和歌山の小園は最速152キロの直球だけではなく、豊富な変化球が大きな強みだ。「唐揚げが得意」という料理上手の器用な手先で2種類のツーシームにカットボール、チェンジアップを操る中、この日のメインディッシュに選んだのはスライダーだった。

 三回1死二、三塁のピンチが象徴的だった。内野ゴロでも失点の危険があるだけに、「三振がベスト」と投球に力を込めた。粘る2番・宇佐美に真ん中から外のボール球へと逃げていくスライダーを振らせて三振を奪うと、続く山本も見逃し三振に仕留めた。

 甲子園練習もなく、ぶっつけ本番の大舞台。マウンドでの視界や感覚が分からず一回、先頭打者にいきなり四球を与えるなど持ち前の制球力が定まらないほど緊張していた。さらに、県岐阜商を率いるのは2016年春から秀岳館(熊本)を3季連続甲子園4強に導いた鍛治舎監督。打たせて取るのに有効な小さく変化するカットボールやツーシームを狙われていると感じ取ると、相手の頭になかったスライダーに切り替えた。

 この日の最速は147キロ。物足りないばかりか6四球と乱れ、3者凡退はたった一度と再三得点圏に走者を背負った。それでも、被安打4に抑えて今大会完封一番乗りし「想像以上に1点を争うゲームで勝ち切れたのは自信になる」。大会での目標に「無失点」を掲げる小園だが、「得点は1点で十分」と言わんばかりの投球だった。【藤田健志】

自信の直球、悔い サヨナラ負け、成長の糧に 松野匠馬投手 県岐阜商・3年

サヨナラ負けを喫し、肩を落とす県岐阜商の松野=平川義之撮影 拡大
サヨナラ負けを喫し、肩を落とす県岐阜商の松野=平川義之撮影

 息詰まる投手戦の最後に、マウンドでうなだれた。充実した県岐阜商の投手陣にあって、鍛治舎監督に「秋から最も伸びた投手」と称された右腕は、もう1段階、高いレベルの投球を目指す中で、その途上にあることを痛感させられた。

 七回から救援したが、制球に苦しむ。九回は1死後に中前打と四球などで一、二塁とされた。1ストライクからの2球目、捕手・高木の要求は「自分の売り」と認識する内角直球。しかし、甘く真ん中に入ってサヨナラの中前適時打を浴び、「申し訳ない。悔しい」と声を絞り出した。

 元々は最速148キロの直球を中心に強気に押すスタイルだが、この日の直球は130キロ台が中心。調子が悪かったわけではない。「スピードも大事だが、丁寧にコースをつくことを心がけた」という投球だった。

 昨秋の公式戦は防御率1・69と好投した。しかし東海大会を通じて「甲子園ではもっと球の精度がないと勝てない」と感じ、制球力に重きを置くようになった。1週間のうち4日間、1日50球ずつストライクゾーンの四隅だけを狙う練習をした。力まずにボールに力を伝えようと、4キロほどのメディシンボールを全身を使って動かし、体幹の強化も図ってきた。鍛治舎監督も「球自体が変わった」と球速以上に球の質が良くなったと見てきた。

 しかしこの日は「練習してきたことがうまくいかずボールが先行し、得意な球にも影響が出た」と松野。2回3分の1を投げて3安打3四死球の結果に「やり直し。伸びのある直球を、自信を持って投げられる夏にしたい」。更なる成長への糧とするつもりだ。【森野俊】


 ○…1回戦…○

 △午前9時1分開始(観衆7500人)

県岐阜商(岐阜)

  000000000=0

  000000001=1

市和歌山(和歌山)

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