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第103回全国高校野球選手権

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母は元五輪代表 常総学院・大川のアスリート魂 選抜高校野球

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敦賀気比(福井)との1回戦で常総学院が先制し、喜ぶ大川慈英の母千穂さん(左から2人目)。1996年アトランタ五輪バレーボール女子の元日本代表=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2021年3月24日、森野俊撮影 拡大
敦賀気比(福井)との1回戦で常総学院が先制し、喜ぶ大川慈英の母千穂さん(左から2人目)。1996年アトランタ五輪バレーボール女子の元日本代表=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2021年3月24日、森野俊撮影

 バレーボール選手だった母、元総合格闘家の父――。第93回選抜高校野球大会に出場する常総学院(茨城)の二枚看板の一人として注目をされる大川慈英(3年)は、スポーツ一家で育った。アスリートの両親からの教えを胸に、自慢の速球で初舞台での活躍を誓う。

 常総学院は昨年7月、OBで元プロの島田直也監督が就任。わずか3カ月で迎えた昨秋の秋季関東大会で準優勝を果たし、5年ぶりのセンバツ切符を手にした。その中心となったのが、公式戦初先発となった関東大会準決勝で完封した大川だ。

 大川は神奈川県出身。母千穂さん(50)は1996年アトランタ五輪バレーボール女子の元日本代表だ。現在は昨年の全日本バレーボール高校選手権神奈川県予選で4強入りした私立・相洋高(神奈川)女子バレー部を指導する。大川自身もバレーボールに取り組んだが、小学4年生から始めた野球にのめり込んだ。

常総学院の大川慈英投手(3年)=茨城県土浦市中村西根の常総学院で2021年2月18日午後4時50分、長屋美乃里撮影 拡大
常総学院の大川慈英投手(3年)=茨城県土浦市中村西根の常総学院で2021年2月18日午後4時50分、長屋美乃里撮影

 強豪・成安女子高(現京都産業大付高)出身の千穂さんは、高校時代に「野球を基礎に技術を教わった」と話す。球威を殺すレシーブの技術を習得するため、投球の勢いを吸収するバント練習だったり、アタックでの球威を増すために体の使い方を学ぶ投球練習だったり、「身近にあった野球から基礎を学んだからこそ、ジャパンに入った時に役だった」と話す。大川が所属した平塚リトルリーグでは、コーチから「ダイビングキャッチを教えてほしい」と頼まれたこともあった。そこで千穂さんはボールに飛び込み捕球するフライングレシーブを披露し、「姿勢が高いと怖いはず。なるべく体を低くして顔を地面に近づけるようにすれば怖くなく、痛くないよ」と教えた。

 一方で父の政則さん(53)は元総合格闘家だ。体作りのプロでもあるため、大川は小中学校からウエートトレーニングの指導を受けてきた。「緊張すると力んでしまうので、父から『脱力』の仕方を教わり、力を抜いて腕を振ることを意識している」と話す大川。開幕直前に最速147キロをマークし、自己最速を1キロ更新した大川の投球には父の教えが反映されている。

 競技は違えど、両親から多大な影響を受けてきた大川。最も大切にしているのが、「自分は練習では一番下手、試合では一番うまいと思ってプレーしなさい」という母親の教えだ。「母は技術より人間力を指導している。そんな母を尊敬している」と話す。

ブロックをかわしスパイクを決める現役時代の大川千穂さん(当時は鳥居千穂)。ユニチカで主にセンターとして活躍した=第40回黒鷲旗全日本バレーボール選手権、大阪・府立体育会館で 拡大
ブロックをかわしスパイクを決める現役時代の大川千穂さん(当時は鳥居千穂)。ユニチカで主にセンターとして活躍した=第40回黒鷲旗全日本バレーボール選手権、大阪・府立体育会館で

 千穂さんは言う。「『魔物がいる』と言われる五輪だが、高校球児の舞台は甲子園。そこで縮こまったり、周りの環境にのみ込まれたりすると、これまでの努力を潰してしまう。だからこそ、いつも通りの力を出せる選手が強い」。両親の教えを胸に刻み、大川は聖地で成長した姿を見せる。【尾形有菜、森野俊】

全31試合を動画中継

 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。

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