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第103回全国高校野球選手権

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第93回選抜高校野球 常総学院、執念の勝利 延長十三回、攻め貫く /茨城

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初戦を突破し、校歌を歌う常総学院の選手たち=阪神甲子園球場で2021年3月24日、津村豊和撮影 拡大
初戦を突破し、校歌を歌う常総学院の選手たち=阪神甲子園球場で2021年3月24日、津村豊和撮影

 <センバツ高校野球>

 第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)は大会第5日の24日、常総学院が敦賀気比(福井)との延長十三回の激闘を制し、9―5で初戦を突破した。二回に4点を先制したが八回に追いつかれ、その後は両者譲らず大会史上初のタイブレークへ。接戦の末の勝利に、アルプスはうれし涙を流して喜びを分かち合った。常総学院は25日第1試合(中京大中京―専大松戸)の勝者と27日第3試合で戦う。【長屋美乃里、川地隆史】

 甲子園に集まった学校関係者や保護者約750人は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために大声を出せないまま、延長十三回を気持ちを込めて応援し続けた。

 最初のチャンスは二回表。1死無塁から秋本が四球を選ぶと、続く田辺が二塁打を放ち好機を作った。母・綾さん(46)は、「調子が上がっていないと話していたけれど、本人も納得がいったかな」と安心した表情。相手の失策で先制点をもぎ取ると、2番打者・伊藤琢の2点適時打などで一挙4点。母・真美さん(43)は目を赤くしながらメガホンをたたいた。

 中盤は互いに得点板に0を刻み続けた。応援指導部副団長の筒井とあさん(3年)は「また点が入るように」との思いを込め、身ぶりでエールを送った。

 敦賀気比も粘りを見せた。八回裏から大川が登板。甘めに入った球を打たれ、失策も絡んで同点に追いつかれた。それでも、「負ける気はしなかった」。強気の投球で九回のピンチを切り抜けた。

 秋本の父・真琴さん(46)が「バッティングの調子が良いと話していた。頑張って打ってほしい」と、祈るように打席を見つめる。延長十三回、その思いが届いたかのように秋本が安打を放つとアルプスから思わず歓声が漏れる。続く太田和の2点適時打などで4点を勝ち越した。

 チアリーディング部の藤原遥さんは「正直負けるかもと思っていた。みんなで勝ち取った勝利」と大粒の涙を流した。大熱戦の末の勝利に、誰もが精いっぱいの拍手でナインをたたえていた。

球場と気持ち、一緒に 吹奏楽部、学校からもエール

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、常総学院(土浦市)では吹奏楽部などが画面越しに応援、遠く離れた甲子園球場にエールを届けた。

 吹奏楽部の収録した音源は球場でも流れているが、部員の要望で2~3年生計85人が演奏。活躍のたび、「ヒットマーチ」や「常総節」を吹き鳴らした。

 迎えた十三回。音にのせた気持ちに、打線が応えた。親友・大川慈英投手のスリッパを履いて指揮に臨んだ飯野峻太朗さん(3年)は、「慈英が夢だと言っていた舞台で頑張る姿を見て、気持ちだけでも届けたいと腕を振った」と額の汗を光らせた。部長の田所千央さん(3年)は「演奏の音もだんだん大きくなって、最後は球場と気持ちがそろったように感じた」と喜んだ。

 校内では他の運動部員約30人も声を出さず応援。剣道部の布野仁聡(としあき)さん(2年)は「選手たちの熱い思いで勝つことができた」と感慨深げだった。【小林杏花、庭木茂視】


先発した常総学院の秋本璃空投手=阪神甲子園球場で2021年3月24日、藤井達也撮影 拡大
先発した常総学院の秋本璃空投手=阪神甲子園球場で2021年3月24日、藤井達也撮影

 ■ズーム

投のミス、打で挽回 常総学院・秋本璃空投手(3年)

 エースが打撃で試合の流れを呼び戻した。延長十三回タイブレークの無死一、二塁。外角低めの直球をはじき、走者を1人還した。「セカンドにとられるかなと思ったけど、気持ちで抜けた」と喜んだ。

 多彩な変化球と制球力が持ち味。この冬は投げ込みや走り込みで課題の体力不足を解消してきた。

 序盤は併殺でピンチをしのいだが、六回に2打席連続で死球を出すなど制球が乱れた。「(内角を)狙おうという意識が強すぎた」と振り返る。

 それでも、最高の場面で名誉を挽回した。「アウトをあげてしまうバントではなく、なんとかヒットを打ちたかった」。強い気持ちが1点をつかみ取った。

 「初めての甲子園で気持ちの余裕がなかった。次は、もっと楽に投げられるはず」。今度こそ、納得のいく投球でチームに貢献するつもりだ。


 ▽1回戦

常総学院

  0400000100004=9

  0000003200000=5

敦賀気比

 (延長十三回、十三回からタイブレーク)

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