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武田総務相の国会発言 不真面目にもほどがある

 放送事業会社「東北新社」の外資規制違反に関する国会審議で、武田良太総務相が総務省幹部に明確な答弁を控えるよう指示した疑いが浮上した。

 この問題では、規制違反に気づいた同社の担当者が総務省にその事実を報告していたかどうかが焦点になっている。

 野党議員が衆院予算委員会で、報告の有無を同省幹部に確認した際、武田氏は閣僚席から「記憶がない」という言葉を発した。幹部はその後、「記憶にございません」との答弁を繰り返した。

 武田氏は、答弁について指図や命令をすることはないと釈明した。だが、省庁のトップが部下を目の前にして言葉を放てば、指示と受け止めるのが普通だ。「なぜか、無意識というのか口に出た」という説明では納得は得られない。

 東北新社が規制違反を報告していれば、総務省が違法状態を見過ごしたことになる。双方の言い分は食い違っているが、武田氏の態度は真相究明に背を向けているとみられても仕方がないだろう。

 NTTによる接待問題でも、不真面目な国会対応が続いている。

 社長との会食の有無について、「国民の疑念を招くような会合、会食に応じることはない」と繰り返し、回答を1週間避け続けた。一転して会食を認めたのは、週刊文春が報じてからだ。

 大臣規範は、関係業者からの供応接待など「国民の疑惑を招くような行為」を禁じている。抵触しないのなら、最初から会食を認めて説明すれば済んだ話だ。

 質問に正面から答えず、報じられると認めるという一連の対応が、国民の疑念や政治不信を増幅させているのではないか。

 会食があった昨年11月は、NTTがドコモの完全子会社化を進め、携帯電話料金の引き下げを巡る対応も注目されていた時期だ。

 武田氏は、別の経済人に誘われて参加した会食であり、社長がいることは知らなかったと弁明している。だが、他の出席者も把握せずに参加したという説明はあまりにも不自然だ。

 疑惑の目が向けられている組織のトップであることを、武田氏は自覚すべきだ。国会を軽んじる姿勢を改めなければ、信頼回復はおぼつかない。

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