砂糖の代わりは…みりん クッキー、コーラ…スイーツ続々

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みりんを煮詰めればドリンクとしても楽しめる。写真はレモンとみりんを煮て、炭酸水で割った「みりんレモン」=本みりん研究所提供 拡大
みりんを煮詰めればドリンクとしても楽しめる。写真はレモンとみりんを煮て、炭酸水で割った「みりんレモン」=本みりん研究所提供

上品な甘みの「みりんスイーツ」は砂糖に勝てるか 名産地・千葉流山の挑戦

 東京のベッドタウン、千葉県流山市は、江戸時代から続くみりんの名産地でもある。みりんは「和」のイメージが強いが、近ごろはまちおこしの一環として、砂糖代わりにみりんを使ったスイーツが次々と商品化されているらしい。その拠点となる菓子製造所を訪れてみた。【尾崎修二】

さっぱりとした味わい

 「都心から一番近いローカル線」といわれる流鉄流山線の発着点「流山駅」。レトロな風情の駅舎の横にある観光案内所兼コミュニティースペース「machimin(まちみん)」の店頭に、みりんビスコッティや、みりんクッキーが並ぶ。二つとも砂糖、卵、牛乳は使っていない。かめばかむほど上品な甘みがほんのり広がり、砂糖菓子と違って尾を引かないさっぱりとした味わいだ。

 かつての流山は米の集散地で酒造技術があり、江戸川の水運で大消費地・江戸とも結ばれていた。みりん造りに最適だったのだ。約200年前、それまでの赤黒色で濁りのあるみりんに対し、琥珀(こはく)色に澄んだ「白みりん」が流山で開発され、後にこれが一般的なみりんになったという。

砂糖の代わりにみりんを使ったお菓子たち=千葉県流山市流山1のmachimin(まちみん)で2021年3月22日午後、尾崎修二撮影 拡大
砂糖の代わりにみりんを使ったお菓子たち=千葉県流山市流山1のmachimin(まちみん)で2021年3月22日午後、尾崎修二撮影

市内の主婦らが試作し、商品化

 そんな由緒ある特産のみりんを使ったお土産をつくろうと、みりんスイーツづくりは2017年秋に始まった。市内で暮らす主婦らでつくる「本みりん研究所」のメンバーらが日々試作を重ね、まちみん内にある菓子製造所で商品化されてきた。

 パティシエや料理講師をしてきた「所長」のさとうえみさん(39)が言う。

メニューは200以上 みりんコーラも

 「砂糖と違い、甘さにコクやうまみなど奥行きがある。煮物など和食のイメージが強いが、それだけに使うのはもったいない」

 主力商品のビスコッティやクッキー、マシュマロのほか、考案したメニューは200以上あり、キャラメル、マフィン、ラスク、フィナンシェなどが商品化されてきた。

千葉県流山市 拡大
千葉県流山市

 いずれも砂糖を使わず、みりんの含有量が51%以上、つまり「みりんが主成分」というこだわりぶりだ。昨年もみりんを煮詰めたシロップを使ったジンジャーエールやコーラ、クリスマスシーズンを彩るシュトーレンなど新メニューが続々と生まれている。

 一部のレシピなどはホームページでも発信しており、さとうさんは「流山の人が特産のみりんを知ったり、外の人に伝えたりするきっかけになればうれしい」と話す。

 みりん(本みりん)

 蒸したもち米、米こうじ、焼酎またはアルコールを40~60日間ほど糖化・熟成させたもの。全国味淋(みりん)協会によると、ブドウ糖やオリゴ糖など多種類の糖類を含んでおり、これが砂糖よりも柔らかな甘さの理由だという。

 戦国時代から江戸時代にかけて甘いお酒として飲用されていたが、江戸後期から調味料として使われ始めた。

 類似品としてみりん風調味料、発酵調味料もあるが原材料も製法もそれぞれ異なる。区別のため、従来の製法によるみりんは「本みりん」と呼ばれている。

◇シンプルレシピ

◆みりんシロップの作り方◆

❶お鍋に本みりん100ミリリットルを入れ、強火で加熱して沸騰させる❷ふきこぼれないように火加減を調整しながら加熱し続け、半量ほどになるまで煮つめる❸あめ色になり、とろみが出たら完成。保存は常温で1週間。

 ショウガと炭酸水で割ってジンジャーエールにしたり、野菜を漬けてマリネにしたりと用途はさまざま。レシピは「本みりん研究所」のホームページや、クックパッドの市公式アカウント「和みの食卓★流山市」で発信中。

取扱店

 まちみんは流山市流山1の264(午前10時~午後4時。不定休)。市内にはほかにもレストランや菓子店などみりんを使ったオリジナル料理を扱う店があり、流山商工会議所発行のガイドブック「やっぱりみりんdeしょ」や同名のフェイスブックページが情報発信している。

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