連載

特集ワイド

「人だかりがする」ニュースを目指して、読み応え十分の記事をラインアップ。

連載一覧

特集ワイド

明治の「呼吸器」から「アベノマスク」まで 世相映すマスクの歩み

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
明治時代に作られた国産では最初期のマスク。箱には「呼吸器」と書かれ、中央には金属棒が並んでいる=東京都立川市で2021年3月17日、手塚耕一郎撮影
明治時代に作られた国産では最初期のマスク。箱には「呼吸器」と書かれ、中央には金属棒が並んでいる=東京都立川市で2021年3月17日、手塚耕一郎撮影

 長びくコロナ禍ですっかり必需品となったマスクだが、マスクの歴史はさほど知られていないのでは? 東京都立川市の薬剤師、平井有(たもつ)さん(69)=一般社団法人・北多摩薬剤師会会長=はかれこれ20年以上にわたりマスクを集めてきた。明治から昭和にかけての膨大なマスクコレクションを拝見すると、日本人とマスクのちょっと意外な歩みが浮かんでくるのだった。

スペイン風邪で需要増 戦争で物資不足、ガーゼ主流に

 コレクションの入った段ボール箱から平井さんがまず取り出したのは黒い布製マスク。箱のふたに、マスクをした和服の男性が描かれている。かなり小ぶりだが、持つとやや重い。内側は赤く、シャープペンシルの芯ほどの太さの金属棒が数十本並んでいる。「おそらく現存する最古の大衆向けマスクです。明治12(1879)年に東京の老舗医療器具商が<呼吸器>の名で新聞広告を出していますが、同時代のものと思われます。当時は輸入品が主でしたが、舶来品に劣らず、精巧で廉価だとあります」。使用するときは口の部分にガーゼを当てたらしい。

 「マスク」なる外来語…

この記事は有料記事です。

残り1033文字(全文1496文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集