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震災10年の三陸を歩いて/上 海風に祈りをのせて

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 東日本大震災から10年。自家用車を駆って被災地取材を続ける大阪在住のフォトジャーナリスト、小林正典さん(71)と三陸沿岸部を巡った。私が震災翌年から2年間担当した地であり、当時、知り合った被災遺族らを訪ね、変わりゆくまち並みを確認しておきたかったからだ。復興事業で整えられた無機的な人工構造物と対照的に、迎えてくれた被災者は穏やかに淡々とした営みを続けていた。

 10メートルを超す津波が襲い、1700人を超す犠牲者を出し、市内の約半数にあたる3800世帯以上が被災した岩手県陸前高田市の海岸線。壊滅した景勝地・高田松原で被災者に勇気を与えた「奇跡の一本松」が小さくなったように映る。国土強じん化を象徴するような高さ12・5メートル、全長約2キロの巨大防潮堤があるからだろう。国はここに復興の象徴という「高田松原津波復興祈念公園」を整備し、国営追悼・祈念施設を設…

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