羽生結弦の描く「天と地と」/下 世界的指揮者に聞く「和洋融合」

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全日本選手権の男子フリーに臨む羽生結弦=長野市ビッグハットで2020年12月26日(代表撮影)
全日本選手権の男子フリーに臨む羽生結弦=長野市ビッグハットで2020年12月26日(代表撮影)

 フィギュアスケートの世界選手権で4年ぶり3回目の優勝を目指す羽生結弦(ANA)。27日のフリーでは、戦国武将・上杉謙信を描いた大河ドラマ「天と地と」に込めた世界を描く。1982年に若手指揮者の登竜門として知られるフランスのブザンソン国際指揮者コンクールで女性として史上初、日本では小澤征爾さんに次いで2人目の優勝を果たした指揮者の松尾葉子さん(68)に、羽生の音楽や演技を読み解いてもらった。【聞き手・倉沢仁志】

 ――「天と地と」にはオーケストラの音楽に、琴や琵琶といった「和」の部分が加わっています。「和」と「洋」をテーマにした公演で指揮された経験がありますが、二つの融合についてどう感じますか。

 ◆「和」と「洋」は全く違うものです。西洋音楽は、音程を重視します。みんなで演奏する時は、同じ音程でなければ合いません。ピッチ(周波数)にすごく敏感です。でも、和には「ここの音程」というのがあまりないですよね。音に幅があるというか、例えば琴の場合は一つの弦をはじいても、音が変化すると言えばイメージしやすいでしょうか。和は和、洋は洋できっちりまとめなければいけないという難しさがあります。和には、良い意味でアバウトな部分がある。だから「和と洋で統一する必要はないな」と思いながら私は指揮をします。

「つなぎの動きが音楽に溶け込む」

 ――フィギュアスケートの演技で、和の音を盛り込んだプログラムは珍しいと思います。

 ◆珍しいですよね。羽生選手は技術はもちろん、動きが音楽とぴったりと合っているところが特に素晴らしいと感じています。ジャンプ以外のところ、つなぎの動きが音楽に溶け込んでいるようで、きれいだなと思って見ています。

 音楽家の観点から見て、音と動きが全然合っていないと感じる人もいます。…

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