楽天銀行1000万口座の衝撃 個人客浸透、メガバンクの戦略は
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インターネット専業銀行の勢いが増している。1月に楽天銀行の口座数がネット銀行として初めて1000万口座を突破し、他のネット銀行も口座数や預金残高を伸ばしている。低コストを武器にした金利優遇や、新型コロナウイルス感染拡大を受けたキャッシュレス化が背景にあるが、銀行業界の勢力図は変わるのか。迎え撃つメガバンクの戦略は――。
預金残高、中堅地銀並みに
「消費者のオンラインシフトは大きなチャンスだ」。1000万口座を突破した楽天銀行の永井啓之社長は、2月12日の楽天の決算説明会で力を込めた。口座数が2000万~4000万規模のメガバンクにはまだ及ばないものの、直近ではこれまでで最短の7カ月間で100万口座を上乗せし、増勢が加速している。預金残高も2020年12月に5兆円を超え、中堅地銀と肩を並べる。
もともとネット証券大手の楽天証券との口座連携サービスなどが人気で、店舗や通帳を持たない低コスト運営により、普通預金金利もメガバンクの20倍の0・02%と高い。楽天証券との口座連携サービスを利用すると、0・1%に上がる。
さらに最近は、コロナ禍でネットショッピングモール「楽天市場」の利用者が増えていることも追い風だ。楽天市場での買い物をクレジットカード「楽天カード」で支払い、引き落とし口座を楽天銀行に設定すると、楽天市場での買い物に付くポイントが増える。楽天銀行によると、新規口座開設者の6割超が楽天市場など楽天のサービス経由だという。メガバンク幹部は…
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