羽生結弦の現在地 人類史上初の4回転半ジャンプへの思い

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羽生結弦が試合でクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を披露する日も近い?=長野市ビッグハットで2020年12月26日(代表撮影)
羽生結弦が試合でクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を披露する日も近い?=長野市ビッグハットで2020年12月26日(代表撮影)

 ストックホルムで開催されているフィギュアスケートの世界選手権で、ショートプログラム(SP)1位で27日夜のフリーに臨む羽生結弦(ANA)は、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を最終目標としている。人類史上初となるジャンプへの現在地は――。【倉沢仁志】

 その言葉は、SP後の取材終盤に飛び出した。

 「自分としては、4回転半をこの試合に入れたかったのが本当の気持ちで、かなりギリギリまで粘って練習していた。最終的に入れることができなくて、ちょっと残念だなって気持ち。(構成に入れないと決めたのは)出発の3日前くらいです」

「険しい壁の先を見たい」

 昨年12月の全日本選手権の段階で、羽生は4回転半について「一度も跳べていない」と明かしている。当時の取材で、羽生は4回転半に込めた思いを、よどみのない口調で語った。

 「とにかく試合で4回転半を降りたい。そこが、何度も言っているように最終目標。今回、長い期間、1人で練習するにあたって、やっぱり4回転半の難しさというか、そもそも『そこまでたどり着けるのか』とか、『夢物語じゃないか』みたいな感覚まであったことを考えると、本当にそれを最終目標にしていいのかな、という感じもなくはない。ただ、自分の心にうそをつかないのであれば、そこまでたどり着かないのであれば、正直言って、今スケートを頑張る理由というか、この社会、この世の中で、自分がスケートをやりたいという気持ちを押し通してまで、トレーニングさせてもらうという理由がなくなっちゃうと思うんです。(クワッド)アクセルをやらないって話になれば」

 新型コロナウイルスの影響で拠点のカナダに戻れずに国内でコーチ不在の調整を余儀なくされた羽生には、通常の練習をこなすことすら困難だった。それでも、前人未到の領域を目指すことで、自らが滑る意味を見いだそうとしていた。

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