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第93回選抜高校野球 右腕伝説は、ここから 広島新庄・3年 花田侑樹投手

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花田侑樹投手
花田侑樹投手

 <2021 第93回センバツ高校野球>

 第8日(27日)の2回戦、近畿・中国の地区王者対決となった智弁学園(奈良)戦で広島新庄は右腕エース花田侑樹投手(3年)が先発マウンドに上がった。「右腕でも甲子園で通用すると証明してやる」。試合は一、二回と無安打に抑え込み、順調な滑り出しを見せた。

 「右腕では甲子園に行けない」。広島新庄にはこんなジンクスがあった。甲子園初出場の2014年センバツ以来春夏4回(中止となった20年春を含む)の出場でいずれもエースは左腕。20年春に退任した前監督の迫田守昭さん(75)の下で11年間コーチを務めた宇多村聡監督(34)は「歴代良い右腕がいた時に、あと一歩のところで甲子園と縁がなかったのは事実」と話す。

 左腕の育成に定評がある迫田さんの存在も大きい。広島新庄は迫田時代、プロ野球や社会人野球に多くの左腕を輩出し「左腕王国」と評された。14年の主戦、山岡就也投手は社会人のJX-ENEOS(現ENEOS)で活躍。夏の甲子園に連続出場した15、16年の堀瑞輝投手は日本ハムにドラフト1位でプロ入り。13年に巨人からドラフト3位指名を受けた田口麗斗投手(現ヤクルト)も迫田さんの教え子。今大会で花田投手と左右の二枚看板を担う元U15(15歳以下)日本代表の秋山恭平投手(3年)も、その教えを請うため福岡県久留米市から入学を決めたほどだ。

 花田投手は、広島新庄がある広島県北広島町出身。小学1年で軟式チームに入り、中学で進んだ硬式クラブで投手メインになった。しかし、広島新庄では打力を買われ、1年時から一塁手で先発したが、投手で出たい気持ちがあった。

 昨夏のセンバツ交流試合の天理(奈良)戦は手首のけがで、ベンチから見守った。当時のエース秋田駿樹(現専修大)と今大会もリリーフで活躍した秋山両投手の継投策で勝利し、「左のダブルエース」ともてはやされると、悔しさも相まって、花田投手の競争心はかき立てられた。

 転機は昨夏の交流試合後。秋山投手が調子を崩し、2人目以降の投手を育てたい宇多村監督の考えで、昨秋の県大会以降全9試合に先発し、エースの地位を確立。チームを初の中国地区大会優勝に導いた。

 さらなる高みを目指したセンバツの舞台。1回戦の上田西(長野)戦は先発登板し7回3分の1を被安打6の無失点に抑え、延長十二回にサヨナラ適時打も放つ大活躍。そして迎えた2回戦は三回、二塁打や3連打を浴び3失点でノックアウトされた。

 試合には2―5で敗れたものの「本来の力が出せれば全国でも通用すると1回戦で感じた。ここからまた新しく始まる。夏に向けて無敗で駆け上がりたい」と言い切った。【中島昭浩、隈元悠太】

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