味めぐり、鬼滅…ユニーク献立で食べ残し減 ときがわ町の学校給食

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ときがわ町学校給食センター所長の新井一夫さん=埼玉県ときがわ町で2021年3月19日午後3時36分、仲村隆撮影 拡大
ときがわ町学校給食センター所長の新井一夫さん=埼玉県ときがわ町で2021年3月19日午後3時36分、仲村隆撮影

 埼玉県ときがわ町が、日本各地の食を取り上げる「日本全国味めぐり」や、人気アニメ「鬼滅の刃」を題材にした献立など、ユニークな給食で注目を集めている。町学校給食センター所長の新井一夫さん(52)に、ひと味もふた味も違った取り組みの理由を聞いた。【仲村隆】

楽しい食、感謝も学ぶ

 ――給食に力を入れるようになったきっかけは。

 ◆町は今年度から「給食の充実」を方針に掲げています。学校、農家ら地元関係者と連携し、地元の食材を使いながらも、一方で日本各地の地域食を給食に取り入れるなどして、食の豊かさも学ぶというのが狙いです。

 まず2020年7月に「日本全国味めぐり」を始め、最初に沖縄県を取り上げました。献立は、メキシコ風のタコスの具材を米飯の上に乗せたタコライス▽もずくを使ったスープ▽シークワーサータルト――です。食材の調達を含め手探りでしたが、子どもたちには好評だったようです。

 その後、宮崎県のチキン南蛮や高知県のカツオフライなどを提供しました。コロナ禍で旅行もままならない中、郷土料理で旅行気分を味わってもらおうという意図もあります。

 ――人気アニメ「鬼滅の刃」の給食も好評だったとか。

 ◆「鬼滅の刃で完食だ!」と題して2月に実施しました。登場人物が好きなさつまいものみそ汁、主人公の妹がいつも口にくわえている竹を模したちくわのチーズ揚げなどを提供し、子どもたちは大喜びでした。コロナ禍のため、児童・生徒は、給食中はおしゃべりもできません。そこで、楽しい給食になるよう企画しました。

 ――子どもたちの反応は。

 ◆食べ残しが減りました。昨年度と比べると、食べ残す率はほぼ半分に減り、3~5%です。全国平均と比べても、かなり優秀な数字かと思います。

 さらに変わったと思えるのが、保護者の関心の高まりです。児童・生徒が家庭で給食についてよく話題にするようになったのでしょう。PTAなどの会合でも、給食について活発な意見が聞かれるようになりました。

 ――給食を通じて目指すものは。

 ◆ときがわ町は林業が盛んですが、町では児童・生徒が使う箸を生徒に合わせた長さにしたものを配布しようと計画しています。

 給食はいろいろな人たちの協力で成り立っています。子どもたちにおいしく味わってもらうだけでなく、食について広く学んで、感謝の心を育てることが狙いです。また、給食を通じた町づくりにも広げられたらと思っています。

新井一夫(あらい・かずお)さん

 1968年、旧玉川村(現ときがわ町)生まれ。東京都内の専門学校を卒業後、団体職員を経て村役場に。2020年4月から現職。

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