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芸人描く小説「おもろい以外いらんねん」刊行 大前粟生 笑いに潜む「ノリの強制力」

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新作「おもろい以外いらんねん」を手にする作家の大前粟生=本人提供
新作「おもろい以外いらんねん」を手にする作家の大前粟生=本人提供

 お笑い好きの高校生、滝場とユウキが結成したコンビ「馬場リッチバルコニー」。27歳になった2人は、単独ライブこそ満席だが劇場以外の露出はまだ少ない。漫才の日本一を決める「M―1グランプリ」の3回戦と準々決勝のネタが動画配信されたことをきっかけに人気が出て――。

 と、これは小説のお話。「お笑い好き」を公言する作家の大前粟生は、新作「おもろい以外いらんねん」(河出書房新社)で<男社会を煮詰めたような>芸人の世界を描いた。「馬場リッチバルコニー」解散までの10年を紡ぐ青春モノは、女性蔑視や容姿いじりなど「笑い」が持つ危うさを見つめた現代の物語だ。「芸人さんの世界に限らず、この社会のコミュニケーションで笑いというものが重視される。でも笑いを優先すると、いつの間にかその場のノリに個人が抑圧される。そういう『場の強制力』へのもどかしさを割とはっきり言葉にできたらいいなと思いました」

 兵庫県出身。小学生の時にM―1が始まり、バラエティー番組を見ながら「自然とお笑いが好きになった」。コロナ禍前までは毎月、大阪の劇場に通い、笑いに元気や希望をもらいながらも、一方で、ハラスメント交じりの雑な他人いじりなど「心苦しい」場面に何度も遭遇した。周囲の観客を含め「人が何を笑うか、ということが気になる」。そんな思いに加え、ここ数年で<男社会>の違和感に対し、現実の女性芸人が声を上げ始めたこと…

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