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風知草

世論は風だ。でも世論とは何だ――。永田町を知り尽くす山田孝男特別編集委員の政治コラム。

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陥没をめぐって=山田孝男

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絵・五十嵐晃
絵・五十嵐晃

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)が再稼働の望みを断たれたのは、原子力規制委員会が<慣れ>からくる不祥事の連鎖を重く見たからである。

 他人のIDカードによる社員の中央制御室不正入室が発覚(1月)し、侵入検知機の長期にわたる故障放置も露見(今月16日)。同24日、規制委が是正措置命令の発令を決めた。

 技術への信頼が過信を生み、<慣れ>が生じ、想定外の事故を招く。この循環は原発に限らない。

     ◇

 昨年10月18日、東京都調布市の住宅街で生活道路に幅5メートル、長さ3メートル、深さ5メートルの穴が開き、年初までに付近の計3カ所で土中の空洞が見つかった。

 周辺の地下47メートルで、東日本高速道路(NEXCO東日本)が東京外郭環状道路(外環道)のトンネルを掘っていた。

 NEXCOが委嘱した有識者による検討委員会は先月、陥没事故の原因は工事と認めた。今月19日、小石だらけの特殊な地盤で特別な作業を施し、土を取りすぎた――と結論づける報告書を公表した。

 気になったのが特殊な地盤、特別な作業を強調している点である。なぜかといえば、その4カ月前、JR新横浜駅近くで起きた類似事故の…

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