中国・イラン、25年間協定 経済・安保、米に対抗 核合意、深まる混迷

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包括的戦略パートナーシップ協定に署名した後、肘タッチの格好をするイランのザリフ外相(右)と中国の王毅国務委員兼外相=テヘランで27日、AP
包括的戦略パートナーシップ協定に署名した後、肘タッチの格好をするイランのザリフ外相(右)と中国の王毅国務委員兼外相=テヘランで27日、AP

 イランと中国の両政府は27日、25年間にわたる包括的戦略パートナーシップ協定に署名し、経済や安全保障など幅広い分野で関係を強化することで一致した。バイデン政権が対中政策を巡り民主主義陣営の結束に力を入れる一方で、中国がイランなど米国と対立する国々を取り込む構図が鮮明になっている。

経済・安保、米に対抗

 中東を歴訪している中国の王毅国務委員兼外相がテヘランでイランのザリフ外相と署名した。合意内容の詳細は明らかにされていないが、イラン外務省のハティブザデ報道官は「多層的かつ本格的なもので、貿易・経済・交通などでの協力のロードマップとなる」と表明。イランが原油を安値で安定供給する見返りに中国側の巨額投資が見込まれ、中東における中国の存在感が強まりそうだ。

 米紙ニューヨーク・タイムズは協定について、中国の今後の対イラン投資は総額4000億ドル(約44兆円)に上る可能性があると報じ、その分野として金融、情報・通信、空港・港湾、鉄道、医療などを挙げた。想定される投資案件は中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に沿ったものとみられる。重要航路をにらむペルシャ湾入り口近くのイラン南部ジャスクでの港湾開発プロジェクトなど、中国が戦略的な拠点を獲得する可能性も…

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