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第93回選抜高校野球大会で、鳥取城北は三島南(静岡)を破ってセンバツ初勝利を挙げた。県勢としては13年ぶりの白星だったが、2回戦で優勝候補の東海大相模(神奈川)にあと一歩及ばず0―1で惜敗した。「高校球児は3カ月あれば別人に化ける」とよく言われる。それを体現しながらレベルアップを遂げてきた鳥取城北のセンバツを甲子園特派員の立場から振り返る。【野原寛史】
昨秋の鳥取城北の新チーム。先代に比べて完成度は高くなかった。新型コロナウイルス禍による練習や実戦の不足が主因とはいえ、他校も事情は同じ。県大会決勝で米子東に敗れた後の猛練習が奏功し、中国大会では4強進出。だが畑中未来翔(みくと)主将(3年)は「このままでは、もしセンバツに選ばれても全国では通用しない」と語った。一方、山木博之監督は本紙の取材に笑みを浮かべた。「まだ才能を眠らせている選手がいる。それをどう引き出すか」
監督の目は確かだった。センバツ選出の決め手となった秋の公式戦で戦力になれなかった2選手が厳しい指導に応え、一冬を越えて甲子園の大舞台で台頭したのだ。
昨秋は2イニングを投げただけの山内龍亜(りゅうあ)投手(3年)が強敵・東海大相模戦の先発に大抜てきされ、相手の強力打線を手玉に取って九回途中1失点(自責点0)の快投。実は今年2月時点でも制球は安定していなかったが、3月の練習試合で投球フォームのこつをつかんだという。昨秋はベンチ外だった中木村連次郎選手(3年)も2試合で計4安打し、二塁守備で好プレーを披露した。
努力を重ねて「化ける」選手の存在は大きい。守りの軸であり続けてきたエース広田周佑(しゅうすけ)投手(3年)と岸野桂大(けいた)捕手(3年)のバッテリー、そして攻撃をけん引する強打の畑中主将と徳山太一選手(3年)らが引っ張ってきたチーム全体の力を底上げした。東海大相模戦では守備が安定し、安打数も相手を上回った。そんなナインの姿は全国の高校野球ファンに強い印象を残したはずだ。
鳥取城北は昨夏のセンバツ交流試合でも強豪・明徳義塾(高知)にサヨナラ負けしたものの一時は逆転してリードを奪った。山木監督の「甲子園で鳥取や島根の学校に当たれば『ラッキー』という声を、『山陰ってすごいな』に変えたい」との強い思いは形になりつつある。ただあえて注文をつけるなら、鳥取城北は甲子園で「善戦」で終わらない野球が求められる段階に入ったとも言える。夏の大会まであと3カ月半。センバツでの自信と悔しさを糧に、城北ナインの新たな挑戦に期待したい。
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