福島原発・整備士死亡 勤務先に賠償命令、東電と元請けに認めず

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裁判所=ゲッティ 拡大
裁判所=ゲッティ

 東京電力福島第1原発で自動車整備中に倒れて死亡した男性の遺族が、死亡は長時間労働が原因だとして、勤務先の下請けと東電、元請け会社に計約4300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)は30日、下請けに対し2481万円の支払いを命じた。東電と元請けへの請求は棄却した。

 死亡したのは福島県いわき市の自動車整備士、猪狩忠昭さん(当時57歳)。猪狩さんは2012年から自動車整備・レンタル業「いわきオール」(同市)で勤務し、第1原発で車両整備をしていた。17年10月に原発敷地内で倒れ、間もなく死亡。死因は致死性不整脈だった。

 裁判では、原発への移動時間が労働時間に含まれるかが争われた。判決は、原発での作業開始の前にミーティングなどに参加する必要があったなどとして、移動時間もいわきオールの指揮命令下にあると認定した。その上で、死亡までの半年間で、毎月72~131時間の時間外労働があったと認めた。

 東電が救急医療を怠っていたとの主張に対し、ガイドラインの水準は満たしていたと認定。死亡への責任は認めなかった。

 この日、記者会見した猪狩さんの妻(54)は「東電などの責任が認められなかったのは残念だ。今も謝罪や説明を受けていない」と涙ながらに語った。【柿沼秀行】

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