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オンラインが変えた社会運動へのまなざし スピード感に潜む危うさ

富永京子・立命館大准教授=大阪市北区で2020年2月20日、山崎一輝撮影
富永京子・立命館大准教授=大阪市北区で2020年2月20日、山崎一輝撮影

 政治や社会の不条理に抗議の声を上げる人々の舞台が、路上からオンラインに移っている。新型コロナウイルスは社会運動のかたちも変えるのか。若い世代の社会運動に詳しい立命館大の富永京子准教授と考えた。【聞き手・木許はるみ】

根付いた社会運動の理念

 ――近年、オンライン上の社会運動が加速しています。日本でも2020年に検察庁法改正案を押し戻した反対運動などが広がりました。

 ◆新型コロナウイルスの流行で多くの人が生活に困り、外出自粛があったので、オンラインの存在感は高まったように感じる。「ツイッターデモ」や、ハッシュタグ「#」をつけて意見を主張する「ハッシュタグ・アクティビズム」のようなチェーン(連鎖)方式でつなぐ運動は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者を支援する意思表示のために冷水をかぶる「アイス・バケツ・チャレンジ」でみられたように、決してコロナ禍特有でも目新しいものでもない。しかし、繰り返し広く行われることで、抗議の手法としてフォーマット化(定型化)され、多くの人が利用できるものになったと思う。

 また、検察庁法改正案や東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言などに対する抗議の広がりをみると、社会運動の意義が共有されてきたと感じる。権力者や偉い人が誤った判断や言動をした際に、それを批判してもよいという規範が広がってきた。

根強い社会運動への忌避感

 ――日本でオンラインでの社会運動は定着したと言えますか。

 ◆20年9月に実施した社会運動や政治参加の経験に関する調査では、「政治的な意見をシェア・リツイート」「ネット上で政治的な意見表明」を経験した人は約5%しかいなかった。リツイートやハッシュタグをつけるなら気軽に参加できると思うかもしれない。しかし、日本では…

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【新型コロナウイルス】

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