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厚労省職員の宴会 立場忘れた非常識に驚く

 厚生労働省の職員23人が東京・銀座の居酒屋に集まり、深夜まで送別会を開いていた。新型コロナウイルスの感染対策を担う組織の一員として、著しく自覚を欠いた行動だ。

 「東洋経済オンライン」の報道で明るみに出た。緊急事態宣言が解除された直後、東京都が飲食店に午後9時までの営業時間短縮を要請している中でのことだった。

 店が午後11時まで開いていることをわざわざ確認して、予約したという。全員が店を出たのは日付が変わる直前だった。

 政府は感染対策として、宣言解除後も大人数での飲食や歓送迎会を控えることを国民に呼び掛けている。長時間の飲食は避け、アクリル板を設置した店を選ぶことを促していた。今回の送別会は、政府が求める感染対策にことごとく反していた。

 23人は感染対策が特に重要な高齢者施設を所管する老健局の所属だ。課長をはじめ課員の約半数が参加していたという。不適切だと分かっていたはずなのに、なぜ制止する声が上がらなかったのか。

 政府は、海外のロックダウン(都市封鎖)のような手法ではなく、国民や事業者に外出自粛や営業時間の短縮を要請することで、感染拡大を抑制してきた。

 国民は長期にわたり我慢を強いられている。生活の制約を求める側が自らの行動を律しないようでは、要請を真摯(しんし)に受け止めてもらえなくなる恐れがある。

 感染拡大の「第4波」への懸念が広がっている中で、これでは対策の徹底に支障を来しかねない。

 昨年12月には、菅義偉首相自らが自民党の二階俊博幹事長らと計8人で会食した。その後も、自民党や公明党の国会議員による銀座のクラブ訪問などが相次いで発覚した。いずれも厳しい批判を浴びたが、厚労省の職員には人ごとだったのだろうか。

 田村憲久厚労相は記者会見で、「国民があきれて、厚労省がやっているんだからやってもいいと思わないように、綱紀粛正していきたい」と述べた。関係した職員の処分は当然だ。再発防止の徹底も言うまでもない。

 新型コロナ対策で厚労省は失態が続いている。国民の協力を得られるよう体制を立て直すべきだ。

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