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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第93回選抜高校野球 2年ぶり、春王者へ

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阪神甲子園球場に入る東海大相模の選手たち=兵庫県西宮市で2021年4月1日午前9時54分、猪飼健史撮影 拡大
阪神甲子園球場に入る東海大相模の選手たち=兵庫県西宮市で2021年4月1日午前9時54分、猪飼健史撮影

 <2021 第93回センバツ高校野球>

 第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の決勝は1日午後0時半、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場でプレーボール。10年ぶり3回目の優勝を狙う東海大相模(神奈川)、春夏通じて初の全国制覇に挑む明豊(大分)は共に、プロ注目の絶対的エースを擁する学校が敗退する中、分厚い投手陣を生かして勝ち上がってきた。新型コロナウイルスの感染拡大で大会中止となった2020年を経た2年ぶりのセンバツで頂点を争う。【荻野公一】

【明豊-東海大相模】阪神甲子園球場に入る明豊の選手たち=兵庫県西宮市で2021年4月1日午前9時55分、猪飼健史撮影 拡大
【明豊-東海大相模】阪神甲子園球場に入る明豊の選手たち=兵庫県西宮市で2021年4月1日午前9時55分、猪飼健史撮影

仲間信じ進化 明豊(大分) 太田虎次朗投手

 初の決勝進出がかかった大一番。明豊(大分)の太田虎次朗投手(3年)は試合直前に先発を告げられた。「直球で押していけば大丈夫、と言ってもらった。しっかり試合を作る意識で臨んだ」

 最速141キロの直球とチェンジアップを武器とする左腕。昨夏のセンバツ交流試合は、現チームの投手陣の中で唯一、甲子園のマウンドに立った。「もう一回ここで投げたいと思ったし、経験値を生かしたい」

【東海大相模2-0天理】準決勝で天理を完封した東海大相模の石田隼都投手=阪神甲子園球場で2021年3月31日、藤井達也撮影 拡大
【東海大相模2-0天理】準決勝で天理を完封した東海大相模の石田隼都投手=阪神甲子園球場で2021年3月31日、藤井達也撮影

 昨秋の公式戦では6試合に登板し48奪三振と、春切符をつかむ原動力となった。オフシーズンは、足にゴムを巻いてスクワットをするなど下半身を強化。投手陣で競い合いながら、制球力を鍛えた。

 センバツ準決勝の前日、兄でプロ野球・巨人の太田龍投手から「ここまで来たら頑張れ」とLINEでメッセージをもらった。「ありがとう。絶対に勝ってくるわ」と返信した。

 今大会で2度目の先発起用。川崎絢平監督は「調子が良かったので先発させた」と説明。5回と3分の2、101球の力投で6奪三振。仲間と冬の練習を乗り越え、野手陣に背中を任せ、打たせて取るイメージで投球できるようになった。

【明豊5-4中京大中京】準決勝で力投する明豊先発の太田虎次朗投手=阪神甲子園球場で2021年3月31日、吉田航太撮影 拡大
【明豊5-4中京大中京】準決勝で力投する明豊先発の太田虎次朗投手=阪神甲子園球場で2021年3月31日、吉田航太撮影

 京本真(まこと)(3年)、財原光優(さいはらあきひろ)(同)両投手との「三枚看板」の一翼を担い、ここまで継投で勝ち上がってきた。「自分のイニングを投げきるだけです」。仲間は、口数は少ないが芯の強さがあると評価する。

 ピンチの場面、思い出すのは自分を支えてくれた人たち。ずっと背中を追いかけた兄は、甲子園出場はかなわなかった。明豊の先輩たちも春切符をつかみながら大会中止に涙した。「自分の力だけでマウンドに立ててるんじゃない」。決勝に向けて気持ちも高ぶる。「疲労はない。決勝も投げる場面があると思うので、しっかり準備したい」。春夏通じて初の甲子園制覇に向け、気力は十分だ。【辻本知大】

経験実り快投 東海大相模(神奈川) 石田隼都投手

 31日の準決勝、天理(奈良)戦。東海大相模(神奈川)のエース石田隼都(いしたはやと)投手(3年)は被安打3、15奪三振と圧巻のピッチングで2試合連続の完封勝利。決勝までの全4試合26回を投げ無失点43奪三振の快投だ。

 183センチの長身から放たれる球にバットが次々と空を切る。キレのある直球や変化球をからめたテンポのいい投球で、相手にリズムをつかませない。バッテリーを組む小島大河捕手(同)は「真っすぐのキレがよく、真っすぐの軌道から曲がる変化球があるからそれがいい」と話す。

 投手陣も石田投手の存在と共に成長してきた。昨年の秋季大会では石田投手が9試合中7試合で先発してきたが、今大会は公式戦でほとんど登板がなかった石川永稀投手(同)や求航太郎投手(2年)のリリーフに回る試合もあり、3人の投手で4試合1失点に抑えてきた。門馬敬治監督は「冬の間、練習で石田が一番ブルペンで投げるから、ほかの選手もついていかざるをえないというか。いい効果を出してくれる」と話す。

 1年生の夏、2年生のセンバツ交流試合と2度の甲子園経験がある石田投手は他の投手にマウンド上での心構えなどを伝えてきた。石川投手は「後ろに石田がいてくれる。アドバイスで投げやすい環境を作ってくれた」と感謝。石田投手も「自分の分まで投げてくれるのはうれしいし、頼りになる」と信頼する。

 3度目の甲子園となる今大会は「試合を多く経験し、落ち着けている」と自身で評価する。一方でマウンド上で大きくガッツポーズをするなど気迫がこもった、チームを鼓舞する様子も多く見られる。門馬監督は「技術だけでなく精神面でも中心選手になってきた。そこにみんながつながる意識のチームになってきた」と成長を実感する。石田投手は「しっかり勝てる準備をしたい」。悲願の日本一まであと一つだ。【宮島麻実】

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