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中村文則の書斎のつぶやき

芥川賞作家・中村文則さんが、いろいろな場所の「書斎」から、さまざまなことをつぶやきます。

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中村文則の書斎のつぶやき

迷走するコロナ対策

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作家の中村文則さん=宮間俊樹撮影
作家の中村文則さん=宮間俊樹撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大はズルズルと終わりがなく、健康被害に加え、精神的にも経済的にも、もうずっときつい状況が続いている。

 コロナを抑え込んでいる近隣諸国を見る限り、本来なら、日本も同じくゼロコロナに近づける領域にいけたと感じる(一度はあんな半端な緊急事態宣言で、東京は1日1桁まで減った)。もう遅いかもしれないが、今がそうなれるギリギリのタイミングかもしれない。日本がまだ一度もしていない、明確なロックダウン(徹底的な補償付きの)はできないだろうか(本来は去年やっておくべきだった)。人の心理として、目標がなければ自粛は難しい。規制をしなくても、感染者数が増加すればどのみち経済は鈍化する。実質的に、経済だけを見ても感染者数は減らさないともうどうしようもない。

 コロナの被害は地域差があり、日本は島国なので本来はかなり恵まれた位置にある。なぜかマスコミがあまり報じないのでここに書くと、抑え込んでいる近隣国の一日の感染者数(3月14~27日)は、ニュージーランドと台湾が大体ゼロ~数人、オーストラリアがゼロ~十数人で、日本は桁が二つ違う(3月27日付で2000人以上)。この地域の海に囲まれた立地の先進国で、失敗したのは日本だけだ。ちなみにベトナムやラオスやブルネイなどもゼロ~数人、中国が数人~十数人、シンガポールが数人~二十数人等々となっている。そもそも去年の春に…

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