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菅政権のデジタル改革 魅力分かりやすく伝えて=後藤豪(東京経済部)

衆院本会議で答弁に臨む平井卓也デジタル改革担当相(右)。左は菅義偉首相=国会内で2021年3月9日、竹内幹撮影
衆院本会議で答弁に臨む平井卓也デジタル改革担当相(右)。左は菅義偉首相=国会内で2021年3月9日、竹内幹撮影

 菅義偉首相が最重要課題に掲げる国全体のデジタル化。「改革の象徴」と位置付けるデジタル庁が今秋に発足するが、取材で感じるのは「社会がどう良くなるのか」が伝わっていないということだ。何のために日本をデジタル化するのか。官だけではなし得ない民の後押しが不可欠な改革だけに、政府の情報発信が極めて重要だ。

世界の潮流に完全に乗り遅れ

 行政サービスのデジタル化が急務であることは新型コロナウイルス禍ではっきりした。1人当たり10万円を配る特別定額給付金事業では、国と地方のシステム連携がスムーズにいかずに作業が遅延。各地の自治体窓口に給付を待ちわびる人の行列ができ、「3密」を防ぐ狙いのオンライン申請が「過密」を招いてしまった。中央省庁間でシステムが異なり、オンライン会議ができない事態も発生。感染者と濃厚接触した可能性を通知する政府の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」にも不具合が頻発し、ダウンロード率はわずか2割程度(総人口比)にとどまる。

 日本がいかに「デジタル劣等国」であるかがコロナ禍で露見したが、デジタル化は実は古くて新しい課題だ。IT立国を掲げ、IT基本法が施行したのは2001年。一般家庭にも高速大容量通信が普及し始めたころで、同法は世界最高水準となるインターネット網の整備を掲げた。インフラ整備は進んだものの、ITやデータの利活用の面では先進諸国に大きく水をあけられ、鳴り物入りで始めたマイナンバー制度も国民の理解を得られず利…

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