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コロナ禍のキャンパスライフ 慶応大生はなぜ山形に移住したのか

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山形県村山市に移住した末永玲於さん=菊地翼さん撮影
山形県村山市に移住した末永玲於さん=菊地翼さん撮影

 本来自由な時間を謳歌(おうか)する大学生たちもこの1年、出口の見えない新型コロナウイルス感染症に振り回されてきた。だが、いつの時代も状況を逆手に取れる人は存在するもので、コロナ禍の生活をしなやかに、前向きに切り開いた学生もいる。慶応大経済学部4年の末永玲於(れお)さん(22)は昨秋、入学以来住んでいた横浜を離れ、山形県に移住した。今だからこそ実現できたという「キャンパスライフ」とは――。【金志尚/デジタル報道センター】

住まいは5LDKの古民家

 「これ、見てください。ちょっと笑っちゃうぐらいなんですが」

 オンライン会議システム「Zoom」(ズーム)の画面越しに弾んだ声が聞こえてくる。画面に映るのは大根やブロッコリー、キャベツなどの山。近隣住民からもらった旬の野菜だという。「さっきも家に帰る途中、リンゴ農家さんから『リンゴもらっていかないか』と声をかけられました。こっちではこういうことが日常茶飯事なんです」

 山形県の真ん中に位置する村山市。末永さんは2020年10月から、人口約2万3000人のこの小さな自治体で暮らしている。以前住んでいた横浜市は約375万人だから、人口規模は160分の1程度。密な都会の暮らしから解放され、住まいは手狭な1ルームから広々とした5LDKの古民家になった。ちなみに月の家賃は約7万円から約2万3000円に。濃密な近所付き合いを含め、住環境は文字通りガラリと変わった。

 「『きょう野菜をもらったから、今度あの人に何かしてあげよう』と思うとか、いわゆるギブ・アンド・テークの関係ですね。こうしたところに豊かさを感じています」。今の生活の充実ぶりを末永さんはこう説明する。

月イチ通いが地ならしに

 それにしても、なぜ移住することにしたのだろうか。

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