特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

センバツ甲子園 明豊準V 夏、さらなる飛躍を /大分

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

後輩の結束、頼もしく

 ○…アルプススタンドの最前列で、初めて決勝で戦う母校の姿を青地七斗さん(19)が見守った。春夏通して初のベスト4入りを果たした2019年のセンバツで、ナインの一員として打撃でチームを支えた。この日は大学の野球部の練習がオフになり、急きょ駆けつけた。

 青地さんは決勝進出を知ったとき、「頭一つ抜けた選手がいるわけではないあのチームが、自分たちを越えたのか」と衝撃を受けたという。だが、プレーする後輩たちを目にすると、納得した。

 「スイングはしっかりと力強い。勝ち上がってこられたのは、きっと強いチーム力があったからだ」。多くの人が予測しなかった大躍進は、ナインの固い結束があったからだと感じている。

同窓会長もエール

 ○…明豊の前身、別府大付高野球部の主将で、現在は同窓会長の後藤明文さん(68)は2回戦から連泊して応援する熱の入れようだった。自分の高校時代にはプロ野球に進む選手もいたが、なかなか1回戦を突破できなかった。練習環境も十分ではなく「ヘルメットも3、4個しかなく竹バットで練習していた。今の生徒は幸せ」と振り返る。明豊に移行する時にOB会の創設に携わり、部の活動資金も集めて支援する。甲子園は春夏計11大会出場しており、全試合をスタンドから応援してきた。この日は相次ぐピンチにも「気力を振り絞ってなんとか抑えて」と願うような気持ちで見つめ、「別府に初の優勝旗を」とエールを送り続けた。

亡き息子の分まで

 ○…三塁側アルプスには京本真投手のおじ、難波宏延さん(46)の姿があった。八回裏に登板した京本投手のグラブに刺しゅうされた文字は「創平と共に」。2年前、19歳で亡くなった難波さんの息子の名前。野球選手で、捕手だった。

 マウンドに上がったおいの姿に、難波さんは「マコ(京本投手)が出てくると、緊張で息ができなくなりそう」と笑う。京本投手を本当の息子のように思い、毎日のようにアドバイスした。「四死球が多い。エースはもっとどっしり構えないと」。ピンチの切り抜け方も教えた。「困ったら、創平が球を受けていると思え。ストライクになるよ」。甲子園の決勝のマウンドで、難波さんの2人の「息子」がともに戦った。

別府市長も後押し

 ○…アルプスには明豊がある別府市の長野恭紘市長も駆けつけ、スティックバルーンを持って応援した。市の経済にとって観光業が占める割合は大きく、現状では新型コロナウイルス感染の影響で非常に厳しい。それでも「別府の人たちはいいニュースを楽しみにし、温泉のように沸いている」と話し、日焼けした顔で懸命に応援を続けた。

あわせて読みたい

注目の特集