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3府県にまん延防止 「第4波」想定した戦略を

 新型コロナウイルスの感染が急拡大している大阪府と兵庫、宮城両県に、全国で初めて「まん延防止等重点措置」が適用される。

 地域を限って緊急事態宣言に準じた対策が可能になる。対象は大阪、神戸、仙台など6市で、期間は週明けからゴールデンウイークが終わるまでの1カ月間だ。新規感染者数が急増しており、対策強化は必要だ。

 感染の再拡大はもともと懸念されていた。にもかかわらず、大阪府と兵庫県は宣言の解除を期限より前倒しした。宮城県は外食需要の喚起策「GoToイート」の再開を急いだ。

 対策の柱は、飲食店などの午後8時までの営業時間短縮だ。命令に従わなければ過料の対象となり得る。協力する事業者への支援を拡充するのは当然だ。

 事業者は店内の感染対策の徹底を求められる。行政は事業者と連携して、丁寧に客の理解を得る努力をしなければならない。

 しかし、重点措置で感染拡大を抑止できるかは見通せない。

 大阪府の新規感染者数は、すでに第3波のピーク時に近い水準だ。対応が遅すぎたという専門家の指摘もある。

 感染は特に大学生の間で広がっているという。大阪市に限ることなく、大学がある他の自治体も対象に加えることを検討すべきではないか。

 感染力が従来より強いとされる変異株の確認が増えていることも懸念材料だ。

 時短要請の効果が限られる場合は、より強い措置も必要になる。緊急事態宣言の発令をためらって事態を悪化させることがないよう、政府は判断基準をより明確にすべきだ。

 首都圏などでも感染者数は増加傾向にある。重症化リスクの高い高齢者にワクチンが行き渡る前に、「第4波」が全国に広がることが懸念される。3府県の対応を検証し、今後の対策に生かさなければならない。

 病床や宿泊療養施設の拡充に向け、都道府県は医療機関との調整を加速する必要がある。高齢者施設での定期的な検査の徹底も欠かせない。

 第4波を想定した戦略の策定が急がれる。

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