東海第2原発の避難所、不足は2万人超に 再調査でも過大算定

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停止中の東海第2原発(手前)=茨城県東海村で2018年7月17日、本社ヘリから藤井達也撮影 拡大
停止中の東海第2原発(手前)=茨城県東海村で2018年7月17日、本社ヘリから藤井達也撮影

 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の事故に備えた広域避難計画をめぐり、現時点で避難所の収容人数不足が2万人を超えていることが判明した。茨城県は2013年の避難所調査が過大算定だったと指摘され、18年に再調査。しかしこの再調査でも過大算定が起き、策定中の避難計画に反映されていた。国内原発で最多の94万人が避難する計画が、抜本的な見直しを求められるのは必至だ。【日野行介、三上健太郎】

 広域避難計画は東海第2の事故の際、原発の30キロ圏内にある茨城県の14市町村から、住民が30キロ圏外にある県内外の市町村へ避難するための計画。

 茨城県は13年、県内の市町村に対して避難所調査を実施したが、一部でトイレや倉庫など避難者が滞在できない「非居住スペース」が除外されず、収容人数が過大に算定された。県が作成した18年の再調査結果は「避難先の県内8市町で、計約1万8000人分の避難所が不足する」との内容だった。今年1月に毎日新聞が一連の経緯を報道し、県はそのうち4市・約6900人分の不足がまだ解消していないと2月に発表している。

東海第2原発をめぐる避難所問題 拡大
東海第2原発をめぐる避難所問題

 しかし毎日新聞が入手した県の内部資料を詳細に分析したところ、18年に避難所不足が判明した8市町とは別に、少なくとも6市町村(つくば、古河、結城、つくばみらい4市、境町、美浦村)について、大半の避難所で非居住スペースが除外されず、総面積が記載されていた。6市町村は毎日新聞の報道などを受けて再点検し、取材にいずれも過大算定を認めた。

 18年の再調査によると、6市町村の避難所の収容人数は計約9万9500人。だが6市町村の再点検や毎日新聞の試算では、そのうち計約3万人分が過大だった。18年以降、避難者数や避難所数は増減したが、現在受け入れを求められている避難者数に対して、6市町村で予定していた避難所では計約1万5000人分が不足する計算だ。県が発表済みの約6900人分も加えると、避難所不足は2万人分を超える。

 6市町村のうち結城市や境町などは、避難所を追加するなどして不足の解消を目指すと説明。一方、つくば市は「これ以上の受け入れは難しい」と避難所の追加に慎重だ。つくばみらい市は、今年1月に東海村から計1万1000人の受け入れを要請されていたが、今回の事態で全員の受け入れが難しくなり、対応を検討している。

 茨城県は13年調査の過大算定を指摘され、それを解消するために18年に再調査をしたにもかかわらず、またも過大算定が繰り返されるずさんな事態を招いた。県原子力安全対策課は3月24日、取材に対し「現在、(避難所)面積の算出方法などを確認しており、見直しが必要な市町村があったが、過大算定の数は把握していない。今後の対応については回答を控える」とコメントした。

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