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2年ぶりセンバツ閉幕 感染防ぐ知恵共有したい

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 2年ぶりの選抜高校野球大会が幕を閉じた。新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中での開催だったが、徹底した対策のもと、11日間の熱戦が展開された。

 延長戦は史上最多に並ぶ7試合にのぼり、大会初のタイブレーク制も実施された。選手たちはコロナ下の不自由な練習環境をものともせず、憧れの甲子園で粘り強く戦った。

 コロナ対策として、出場校を決める選考委員会や組み合わせ抽選会はオンラインで実施された。開幕直前には選手たちや大会関係者がPCR検査を受け、全員の陰性が確認された。

 開会式は簡素化され、初日に登場する6校だけが参加した。報道陣は選手との接触を避け、試合後の取材はオンラインで行われた。

 観客数は1万人以内に制限され、応援席では、録音した吹奏楽部の演奏が流された。生演奏や大声での応援はできなくても、グラウンドとの一体感が生まれたのではないか。

 いずれも模索しながら生まれたノウハウだ。大会に関わる人々の協力と熱意がなければ、球児たちの舞台は実現しなかっただろう。

 8月には2年ぶりの全国選手権大会が予定されている。夏の甲子園を目指し、各地で地方大会が開かれる。今回の「センバツ方式」を一つの参考にしてほしい。

 今大会は投球数を「1週間で500球以内」と制限したことでも注目された。投手の肩やひじの負担軽減は長年の課題だ。

 球数制限がある中で勝ち進むには複数の投手が必要になる。優勝した東海大相模(神奈川)、準優勝の明豊(大分)は、ともに3投手をそろえて大会に臨んだ。

 小中学生の大会でも球数制限を採用するケースが増えている。将来を見据えた取り組みについて、野球界全体としての検証が求められる。

 昨年は野球だけでなく、全国高校総合体育大会など高校生や中学生の大会が軒並み中止となった。今年は試行錯誤の中で多くの大会が開催されている。

 コロナ下のスポーツ大会は、感染を防ぐための創意工夫のもとで成り立つ。選手たちの安全や健康を守るため、各競技で知恵を共有し、今後に生かしたい。

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