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男女格差縮まぬ日本 総選挙で各党が問われる

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 男女格差の是正が世界から大きく遅れている日本の現状が、改めて浮き彫りになった。

 世界経済フォーラムが男女平等度を評価する「ジェンダーギャップ指数」で、日本は156カ国中120位だった。過去最低となった前回の121位と同水準だ。

 中でも深刻なのが政治分野で、147位と世界最低レベルになっている。衆院議員のうち女性は9・9%にとどまり、閣僚も21人中2人しかいない。

 国民の半数が女性であり、民意を反映するには、政治家の半数も女性であるのが自然だ。

 米国初の女性副大統領、カマラ・ハリス氏は先月、国連で「女性の排除は民主主義が損なわれていることを示す指標」と演説した。

 今年は衆院選が実施される。現状を変える好機だ。各党は女性活躍を唱えるが、女性候補者をどれだけ増やせるかが焦点となる。

 自民党は現在、衆院議員の女性比率が7・6%にとどまる。選挙区の候補者では、男性の多い現職優先の方針を打ち出しており、大きな変化は見込めない。

 立憲民主党は13・8%からの増加を目指すが、女性候補者の擁立は思うように進んでいない。

 ただ、候補者数を増やすだけでは不十分だ。勝てそうもない選挙区に擁立したり、比例代表名簿の下位に載せたりして、形だけ取り繕うことがあってはならない。

 国会や地方議会の選挙で、候補者数の男女均等を目指す法律が2018年にできた。しかし、数値目標の設定は各党の努力に委ねられ、掛け声倒れになっている。

 現状を打破するには、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入が必要だ。

 世界では118の国・地域が採用している。メキシコや欧州などでは、この制度によって女性議員の割合が高まっている。

 政党交付金の配分に、女性候補者の比率を反映させる仕組みも検討すべきだろう。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長だった森喜朗氏の女性蔑視発言を機に、日本社会の根深い男女格差がクローズアップされている。

 格差の解消にどれだけ本気で取り組んでいくか。総選挙に向けて各党の姿勢が問われている。

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