韓国2大市長選、押される文政権 大統領選前哨戦、「審判」直面

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
声援に応える野党「国民の力」の呉世勲候補=ソウル市内で2021年4月1日、渋江千春撮影
声援に応える野党「国民の力」の呉世勲候補=ソウル市内で2021年4月1日、渋江千春撮影

 韓国で来年3月に実施される大統領選の「前哨戦」とされる首都ソウルと第2の都市、釜山の市長選(7日投開票)で、進歩系の与党「共に民主党」の候補が苦戦を強いられている。保守系の最大野党の候補は、支持率が低迷する文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する「審判」を前面に押し出して攻勢をかけている。【ソウル渋江千春】

不動産価格上昇、不満つかれ―ソウル

 庶民が多く住むソウル市北東部・蘆原(ノウォン)区の散歩道で、最大野党「国民の力」の呉世勲(オ・セフン)候補(60)は1日、ベンチで休む高齢者や、子ども連れの母親にあいさつし、写真撮影にも応じて支持を訴えた。同区は今年のマンションの公示価格が昨年比で約35%上昇し、上昇率はソウルで最も高い。演説で「私が必ず凍結させます」と呉氏が宣言すると、市民からは大きな拍手が湧き起こった。

 演説に駆けつけた就職活動中の女性(25)は「(朴槿恵=パク・クネ=前大統領の辞任を求めた市民による)ろうそく集会に参加し、文大統領を支持した友人も、今はほとんど政権を批判している」と話し、母親(50)は「文大統領が就任してからの4年間で、国は発展するより後退した。就職も難しい。引っ越すつもりのない自宅の公示価格が上がるほど、税金の負担が大きくなる」と現政権への不満を吐露した。

 不動産価格の上昇が社会問題化している韓国では3月に入り、宅地開発を担う韓国土地住宅公社(LH)の職員がインサイダー情報をもとに、首都圏の新都市で土地投機をしていた疑惑が発覚。その後も、青瓦台(大統領府)で経済政策を担当する金尚祚(キム・サンジョ)政策室長が、賃料の値上げ幅を5%までに制限する改正法の施行直前に、自身が所有する住宅の賃料を約14%引き上げて契約更新したことが判明して3月29日に更迭された。調査会社リアルメーターが3月30~31日にソウル市民を対象に実施した世論調査では、呉氏に投票するとの回答が57・5%で、与党「共に民主党」の朴映宣(パク・ヨンソン)候補(61)の36%を大きく上回っている。

 一方の朴氏陣営は…

この記事は有料記事です。

残り1301文字(全文2166文字)

あわせて読みたい

ニュース特集