連載

京都・読書之森

毎日新聞デジタルの「京都・読書之森」ページです。最新のニュース、記事をまとめています。

連載一覧

京都・読書之森

「誰かの理想を生きられはしない」 とり残された者のためのトランスジェンダー史 /京都

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
吉野靫さんと著書=京都市北区で、千葉紀和撮影
吉野靫さんと著書=京都市北区で、千葉紀和撮影

 (吉野靫(ゆぎ)著 青土社、1980円)

 「まだ砂漠にいる」「この本を出すのに、10年の時間が必要だった」――。こんな書き出しで本書は始まる。

 著者は30代の立命館大研究員。学生時代から女性としての性別違和に苦しみ、大学病院の専門外来に通った。20代前半で乳房の切除手術を受けたが、縫合部が壊死(えし)する医療事故に遭い、大学側を提訴する。性同一性障害の診断を受けた当事者が、学会の指針に基づく治療を巡り法廷で争うのは初の事例だった。

 訴えの多くは認められた。だが、その過程で受けたバッシングや非難から長い心身の不調に追い込まれた。

この記事は有料記事です。

残り753文字(全文1020文字)

あわせて読みたい

注目の特集