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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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時代の風

激戦地の土砂、辺野古埋め立てへ 人間の尊厳、守られるか=梯久美子・ノンフィクション作家

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=竹内幹撮影
=竹内幹撮影

 骨に見られていると思った。沖縄の写真家・比嘉豊光さんが撮った、戦後ずっと土に埋まっていた日本兵の頭蓋骨(ずがいこつ)の写真を見たときのことだ。

 おそらく若い兵士だったのだろう、大きな歯がきれいにそろい、ぽっかりと開いた眼窩(がんか)がこちらを向いている。写真とは「見る」ものだという思い込みが崩れ、このとき初めて、向こう側から「見られる」という経験をした。向こう側とは、死の側である。

 2009年夏から10年春にかけて、那覇新都心など、再開発の進むかつての激戦地から、多くの日本兵の遺骨が掘り起こされた。比嘉さんは、沖縄で遺骨収集を行っているボランティア組織「ガマフヤー」の代表、具志堅隆松さんから連絡を受けて現場に行き、撮影したという。

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