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避難所マニュアル、北海道100市町村「改定」 コロナ対応強化

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パーティションで仕切られ、感染予防やプライバシーに配慮された2人用の段ボールベッド=日赤道看護大提供 拡大
パーティションで仕切られ、感染予防やプライバシーに配慮された2人用の段ボールベッド=日赤道看護大提供

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、災害時の避難計画や避難所の運営マニュアルを見直す動きが、北海道内のほぼ全域で進んでいる。備蓄の増強や衛生管理などを盛り込んだ改定を既に100市町村が済ませ、70市町村が改定を検討中。一定期間は「密」になるのがやむを得ないとされていた避難所運営の考え方も変わりつつある。【土谷純一、本多竹志】

 東日本大震災から10年を前にした2~3月上旬、毎日新聞が道内全179市町村に防災体制のアンケートをし、その中でコロナ禍を踏まえた避難計画や避難所運営マニュアルへの対応を聞いた。

 札幌、旭川、函館の主要市や東日本大震災で道内最大の津波に襲われたえりも町など100市町村は改定を終え、小樽市や網走市など70市町村が検討中と回答した。千島海溝沖の巨大地震が起きた場合に津波被害が想定される釧路・根室管内の13市町村は全て改定済みか検討中。改定予定のない9自治体は人口9000人以下の町と村だった。

 具体的な改定内容は「備蓄計画に感染症対策用品を追加した」(倶知安町)、「避難所受け付けなどでの感染症対応や検温の流れをマニュアルに記載した」(岩見沢市)など。東川町は避難所の定員を半分程度にして運用することを決めた。

 釧路市や木古内町は作成・改定したマニュアルを使って訓練を実施。根室市は2月中旬の暴風・高潮で改定中のマニュアル案に沿って避難所を開設し、その時の反省点を反映して完成させるという。

 コロナ禍での災害対応を巡っては、内閣府や厚生労働省が2020年4月に自治体に通知を出し、可能な限り多くの避難所開設▽親戚や友人宅への避難の検討▽避難者の健康状態の確認▽十分な換気とスペースの確保――などを求めた。日本医師会も同年6月、テープによる区画表示や感染が疑われる避難者の隔離など、クラスター(感染者集団)を発生させない具体策を示した避難所マニュアルを公表している。

 避難所運営で自治体へ提案を続けている日赤北海道看護大の根本昌宏教授は「避難所はこの10年で、段ボールベッドが備蓄されるなど雑魚寝スタイルの悪環境から脱却してきた。コロナ禍での運営は前例のない取り組みになり、自治体には人材を育て平時の訓練を繰り返すよう努めてほしい」と注文。住民に対しても「安全で健康な分散避難を考え、最新のハザードマップをダウンロードしておくなど新しい防災情報を学んでほしい」と話す。

「早めに手を打った」北見市

北海道内179自治体のコロナ禍を踏まえた避難計画や避難所運営マニュアルの対応 拡大
北海道内179自治体のコロナ禍を踏まえた避難計画や避難所運営マニュアルの対応

 コロナ感染拡大に敏感に反応し、20年度中に地域防災計画の大幅見直しと必要な予算の手当てをしたのが北見市だ。市内では昨年2月、道内で最初のクラスターが発生し、市防災危機管理室の担当者は「早めに手を打った」と説明する。

 昨年暮れに計上された約1億円の補正予算で、プライバシーを守り感染予防にも寄与するパーティション1万2000枚やエアベッドを購入。体温計、消毒液なども増やした。速やかに配備できるよう拠点避難所25カ所に防災倉庫も新設し、近く工事が始まる。

 こうした対応の背景には、18年の胆振東部地震の経験がある。大規模停電(ブラックアウト)で対応が困難になり、それ以降は「想定外」が起きないよう、発電機やバルーン型の投光器、スマートフォンの充電器などを増強したという。

 道内では災害が比較的少ない地域だが、ここ10年で住民の防災意識も高まりつつある。10年はゼロだった市の防災出前講座が、東日本大震災後の11年は11件、胆振東部地震があった18年は21件、翌19年は41件に増えた。10年間の延べ参加者は5000人を超える。

 一方、町内会単位の自主防災組織率は10団体(1706世帯)にとどまり、全体の3%にも満たない。市防災危機管理室は「組織化していない町内会でも防災部会などの活動がある。組織率をさらに高める呼び掛けをしたい」と話す。

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