熊本地震を伝える南阿蘇の元キャンパス 語り部は地元住民32人

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金沢市の高校生らに自身の体験を話す竹原伊都子さん(左端)=熊本県南阿蘇村で2021年3月26日午後2時37分、山本泰久撮影
金沢市の高校生らに自身の体験を話す竹原伊都子さん(左端)=熊本県南阿蘇村で2021年3月26日午後2時37分、山本泰久撮影

 2016年4月の熊本地震で地割れが起きるなど大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村の東海大旧阿蘇キャンパスは、地震の記憶を伝える「震災ミュージアム」として20年8月、公開が始まった。地震から5年を前に多くの人が訪れているが、「語り部」として案内役を務めるのは32人の地元住民たちだ。大学のキャンパス機能が村外に移転し学生が消えた町で、住民たちは「あの日」を語り続けている。

 「震度7が2回続けて起きた非常に特異な地震だった。自宅に帰ったら、どうか皆さんの家の防災について考えてください」。3月26日、地震で崩落した旧阿蘇大橋に近い、旧阿蘇キャンパス1号館前で語り部の井口昭則さん(51)の声が響いた。説明を受けているのは宮崎県延岡市から防災学習のために来た福祉グループのメンバー22人だ。

 豊かな自然に囲まれた旧阿蘇キャンパスは農場や牧場が一体となった全国的にも珍しい学びの場で、農学部の学生約1000人がいた。しかし、…

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