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池江璃花子/上 「できるよ」は魔法の言葉

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日本選手権で日本新記録を連発した池江璃花子=東京辰巳国際水泳場で2018年4月8日、梅村直承撮影
日本選手権で日本新記録を連発した池江璃花子=東京辰巳国際水泳場で2018年4月8日、梅村直承撮影

 競泳女子の池江璃花子(20)=ルネサンス=には不思議な魅力がある。2人の記者が、栄光と奇跡の復活の日々からその秘密を探った。前編は、泳ぐたびに記録を塗り替えた高校時代を中心に。

水中出産で誕生した「水の申し子」

 いとも簡単に日本記録を塗り替える泳ぎは圧巻だった。普段はチョコレートが大好きな池江。プールに入ると眼光鋭いスイマーに変わる。「できるよ」。強烈なインパクトを残し続けてきた泳ぎの背景には、魔法の言葉があった。

 リオデジャネイロ五輪出場を決めた2016年4月から池江の取材を続けている。印象に残るのは、池江のためとも言わしめた18年4月の日本選手権だ。「出場する全種目で日本新を出す」。その宣言通り、4種目で計6度の日本記録をマークした。

 その宣言は大げさに言っているわけではなかった。当時高校3年生になったばかりの池江は、淡々と自らに言い聞かせていた。調子の良さは自分が一番分かっていたのだろう。

 自由形とバタフライの50メートルと100メートルの計4種目に出場。口にしていた目標タイムを軽々とクリアしていった。解説者としてプールサイドに並んでいた歴代の五輪メダリストらからは「全部が日本新なんてこれまでにあった?」と驚きの声が上がった。

 水中出産で誕生した「水の申し子」。姉と兄の影響で3歳から水泳を始めた。幼児教室を主宰していた母美由紀さんは、子どもたちに絵で目標を表現させた。池江はいつも表彰台の一番高い所に立つ自分の姿を描いた。母はそっと寄り添い、「できるよ」といつも声を掛けて自信を持たせた。

 自らが活躍する姿を想像する。それが池江のパフォーマンスにも直結した。美由紀さんは「幼い頃から…

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