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米軍ヘリの低空飛行 国民の不信招く危険行為

 東京都心の上空で、在日米軍のヘリコプターによる低空飛行が常態化している。

 毎日新聞が約半年間、東京都庁の展望室などから調査し、高度300メートルを下回る低空飛行を20回以上確認した。

 大惨事につながりかねない危険な行為であり、看過できない。米軍は飛行実態やその意図を明確にすべきだ。

 航空法は、住宅密集地では最も高い建物から300メートル以上、人家のない地域では150メートル以上の高度で飛ぶよう義務づけている。

 しかし、米軍機は日米地位協定に伴う特例法によって、適用を除外されている。低空飛行による騒音被害や事故は後を絶たない。

 このため、日米両政府は1999年に合意を取り交わした。航空法の高度基準を在日米軍も採用し、特に人口密集地域などには「妥当な考慮を払う」という内容だ。

 だが、この合意が守られていない実態が、今回明らかになった。

 在日米軍司令部は、合意の対象にヘリは含まれないとの見解を示しているという。一方の日本政府は、航空機の種別を問わず合意の対象だという説明をしており、食い違っている。

 米側の認識が間違っているのであれば、日本政府は抗議し、合意の順守を強く求めるのが当然だ。

 仮にヘリが対象に含まれていないとすれば、合意の内容を速やかに見直す必要がある。

 だが、日本政府の対応は腰がひけている。茂木敏充外相は、日本政府の公式見解を繰り返すだけで、日米間に見解の違いがあることも認めていない。両政府は合意の対象範囲を再確認すべきだ。

 米軍機の低空飛行は各地で確認されている。全国知事会は、住民を危険にさらすことがないよう実態の調査や日米地位協定の見直しを日本政府に求めている。

 米軍は、イタリアでは同国の国内法の枠内で活動している。ドイツでは地位協定が改定され、米軍にも同国の航空法が適用されるようになった。

 危険な低空飛行は、国民の命や暮らしを脅かし、日米同盟に対する国民の信頼を損ないかねない。日本政府は、在日米軍に数々の特権を認めている地位協定の改定を正式に提起すべきだ。

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