橋田寿賀子さん、こだわり続けた女性視点 背景に戦争への嫌悪

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静岡県熱海市の自宅で執筆中の橋田寿賀子さん=静岡県熱海市で2010年10月7日、石井諭撮影
静岡県熱海市の自宅で執筆中の橋田寿賀子さん=静岡県熱海市で2010年10月7日、石井諭撮影

 テレビドラマの世界で、数々の話題作を残してきた脚本家の橋田寿賀子さんが4日、亡くなった。女性の視点に徹底してこだわった橋田作品は、それまで顧みられることがなかった女性のリアルな思いを浮き彫りにしたが、その背景にあったのは自身も体験した戦争への恐怖と嫌悪だった。

 橋田さんは、ドラマ史の中でエポックメーキングといえる作品を少なくとも3作発表している。1作目は「となりの芝生」(NHK、1976年)。山本陽子さん演じる嫁と、沢村貞子さん演じる夫の母が繰り広げるいわゆる「嫁しゅうとめもの」だ。事あるごとに難癖をつけるしゅうとめの嫌みや愚痴をたたみかけることで、それまでアットホームでほのぼのとした作品がほとんどだったホームドラマで、誰もが抱えるリアルな感情を描き切った。家族という集団の中に潜み、それまで顧みられることがなかった葛藤を女性の視点で浮き彫りにした衝撃作だった。この流れは、平成以降続いた「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)へと続く橋田作品の柱の一つとなっていく。

 2作目は「女たちの忠臣蔵」(TBS系、79年)。男性の視点のみで描かれてきた時代劇に女性の視点を持ち込み、資料がほとんどない分、自身の想像力を大いに飛躍させ、新たな世界を創造した。この流れは、大河ドラマ「おんな太閤記」(81年)、「春日局」(89年)へと続いていく。

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