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大学スポーツ365日

海に魅せられ博多湾から世界へ 五輪選手育つ日本経済大ヨット部

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博多湾で練習する日経大ヨット部の河崎聖(手前右)=福岡市西区で2021年3月10日、田鍋公也撮影
博多湾で練習する日経大ヨット部の河崎聖(手前右)=福岡市西区で2021年3月10日、田鍋公也撮影

 日焼けした選手たちは水しぶきを受けながら激しく動いて船を操っていた。ヨットから想像していた優雅なイメージは、一瞬で吹き飛んだ。

21世紀創部、瞬く間に強豪

 バサバサ、バンッ。風を受けた帆が大きな音を立て、波に揺られていたヨットが自転車ほどの速度で滑るように動き出した。博多湾の福岡市ヨットハーバーには、海に駆り立てられた学生が集う。セーリング競技の五輪選手を次々と輩出する日本経済大(福岡県太宰府市)。21世紀に入って創部され、瞬く間に強豪となったヨット部の「虎の穴」が、ここにある。

 よく晴れた3月、ハーバーの堤防の外では選手たちがスタート練習に励んでいた。ヨットは「ヨンナナマル」と呼ばれる2人乗りの470級。間近に見ると、「船に乗っている」とは言い難い。2人ともヨットのへりに足をかけたり腰掛けたりして、マストとワイヤでつなげた体をヨットの左へ右へ、外側に投げ出すように伸ばす。時には海面と平行になるほど体を倒し、帆や重心を操っていた。

 かじ取りや一番大きな帆の操作を担う「スキッパー」の新4年生、河崎聖(ひじり、21歳)は、各大学が3艇ずつで争う全日本学生選手権(インカレ)で2018年、1年生ながら470級制覇に貢献した。競技の魅力を「スピード感。自分で乗り物を動かすのは楽しい。それからゲーム感。頭脳戦の要素が強いから」と語る。海に出ない時間は船の設定に知恵を絞り、ラーメン店でアルバイトをしながら活動費も稼ぐ。なぜこれほどまでにヨットに青春をささげるのか。劣等感を抱き、道を外れかけた少年時代の記憶が…

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