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タケノコご飯が好きだ。若いころは父の実家の竹林へ、タケノコ掘りに家族で出かけた。汗をかきながら皆で掘ったタケノコはみずみずしく、土の匂いをまとっていて、米袋にどっさり入れて家に帰りすぐにゆでた。
そのうち父が単身赴任し、タケノコは八百屋さんで買うようになった。1本か2本しか買わないので、タケノコご飯はあっという間に皆の胃袋へ消えてしまった。
10年前、私は血液の難病で歩くことができなくなった。約3カ月入院し、退院したときに母は、出始めのタケノコを買ってタケノコご飯で祝ってくれた。
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