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みずほ障害中間報告 経営体質の検証足りない

 みずほフィナンシャルグループ(FG)が、傘下のみずほ銀行で2月末以降、相次いだシステム障害について中間報告を発表した。

 現時点で分かった原因や再発防止策をまとめたにとどまり、踏み込み不足は否めない。

 障害は、わずか2週間足らずで4度に及んだ。全国の現金自動受払機(ATM)の約8割が一時機能しなくなったほか、インターネットバンキングの入金ができなくなったり、外貨建て送金に遅れが出たりした。

 報告は、データ処理能力に関する事前のテスト不足や甘い想定など、障害に共通する問題があったことを認めた。

 ATMの大規模障害は、通常のデータ処理作業にデジタル通帳への移行作業が重なり、システムに負荷がかかって起きた。

 金融機関では、データ処理が増える月末に大がかりな作業を避けるのが常識だが、そんな認識が抜け落ちていた。

 各銀行はコスト削減のため、通帳のデジタル化を進めている。出遅れたみずほが、デジタル化を急ぐあまりシステムの安定運用という基本をないがしろにして障害を招いたとすれば、本末転倒だ。

 障害が起きた後の対応にも問題があった。ATMがキャッシュカードや通帳を取り込み、混乱が起きていることを早い段階で把握しながら、障害の原因の情報収集を優先したため、顧客対応は後回しになった。

 一連の障害の要因は複合的だが、再発防止策はシステム関連の人員増強や危機対応体制の強化などを打ち出すにとどまった。

 旧日本興業銀行、旧富士銀行、旧第一勧業銀行が経営統合して発足したみずほは、システム統合が進まず、これまでにも2度、大規模障害を起こした。

 その後、約4500億円かけてシステムを刷新したが、過去の教訓が生かされなかった。背景には、ガバナンス(企業統治)の問題があるのではないか。

 みずほFGの坂井辰史社長は、「経営の問題として非常に重く受け止めている」と陳謝したが、小手先の再発防止策だけでは不十分だ。障害を繰り返す経営体質を検証し、改めない限り、顧客の信頼は取り戻せない。

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