特集

学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相が任命しなかった。極めて異例の事態の背景や問題点を追います。

特集一覧

学術会議「現行形態が望ましい」 井上担当相に改革素案を提出

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
井上信治科学技術担当相(右)に組織改革の検討状況を説明する梶田隆章・日本学術会議会長=東京都千代田区で2021年4月7日午後5時42分、岩崎歩撮影 拡大
井上信治科学技術担当相(右)に組織改革の検討状況を説明する梶田隆章・日本学術会議会長=東京都千代田区で2021年4月7日午後5時42分、岩崎歩撮影

 日本学術会議の梶田隆章会長は7日、内閣府で井上信治・科学技術担当相と会談し、内部で検討している組織改革報告書の素案を提出した。素案では焦点の組織形態の見直しについて、内閣府の一機関である現行の形態が最も望ましいとする一方、もし政府から独立する場合は特殊法人化することも選択肢として示し、引き続き検討する余地を残した。学術会議は8日の臨時幹事会でも素案について議論し、4月21日から始まる総会で改革案を正式決定する。

 会談後、報道陣の取材に井上氏が明らかにした。

 政府・自民党は、菅義偉首相が学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題の発覚を契機に、政府機関からの独立も含めて組織形態を検討するよう求めていた。井上氏は素案について「学術会議の皆さんの意向を最大限尊重したい」としたものの、「国に残るのであれば、国民に納得される形にしないといけない。会員の選考プロセスも既得権のようなものであってはならない」と指摘した。学術会議側は、会員の推薦など選考に関する一連の手続きの透明化を図る方針も示しているという。

 これまで学術会議は設置形態について、国を代表する学術団体「ナショナル・アカデミー」として機能するには、公的資格があることや、国家財政で安定的に運営されること、活動面で政府から独立していることなど、五つの要件が必須だと訴えてきた。この要件を満たす設置形態を検討した結果、現行の国の組織が好ましいと判断した。

 昨年12月に取りまとめた中間報告では、国から独立する場合は独立行政法人や公益法人なども挙げていたが、いずれも既存の法律に制約される。このため、もし独立する場合は、個別法に基づき新たに制度を作ることができる特殊法人が望ましいと判断した模様だ。

 一方、学術会議は会員候補6人の任命を引き続き菅首相に求めているが進展はない。この点について梶田会長は「会員の推薦プロセスを改革しているが、会員の欠員がある状態での見直し議論には抵抗がある」との意見が会員にあることを井上氏に伝えた。【池田知広、岩崎歩】

【学術会議任命拒否】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集