「戦争寸前」だった米とイラン 核合意巡る間接協議が実現した背景

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イラン核合意をめぐる協議にのぞむEUとイランの代表者ら=ウィーンで6日、ロイター
イラン核合意をめぐる協議にのぞむEUとイランの代表者ら=ウィーンで6日、ロイター

 イランが核開発を制限する代わりに米欧がイランへの経済制裁を解除する「イラン核合意」(2015年締結)を巡り、対立する米国とイランが6日、ウィーンで欧州連合(EU)の仲介により間接的な協議を始めた。両国の協議は、18年にトランプ前米政権が合意を離脱し、制裁を復活させて以降で初。なぜこのタイミングで実現したのか。双方の事情を探った。【ワシントン鈴木一生、カイロ真野森作】

 「長いプロセスが予想されるが、外交的手段が全当事者の利益になると信じている」。米ホワイトハウスのサキ報道官は6日の記者会見で、今回の協議の意義を語った。

 間接協議では二つの専門部会設置が決まった。一つはイランが核関連で取るべき措置を話し合い、一つは米国の制裁解除について話し合う。協議では、仲介役のEUが米側とイラン側に互いの主張を伝える形をとった。米国からは15年の核合意締結時にイランとの交渉に携わったマレー・イラン担当特使が参加し、イランの代表はアラグチ外務次官が務めた。詳細な内容は不明だが、協議は9日にも行われ、今後も断続的に続くとみられる。

 バイデン政権にとって、間接的とはいえイランを交渉のテーブルに着かせたのは一つの外交成果だ。イランを敵視するトランプ前大統領は18年、前任のオバマ元大統領時代に締結した核合意から一方的に離脱し、イラン産原油の禁輸などの経済制裁を発動。20年1月にはイラン最高指導者直属の軍事組織・革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害に踏み切るなど、米イラン関係は一時「戦争寸前」まで悪化した。

 こうした中、…

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