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偽りの共生

極めて低い難民認定率、海外からも批判される入管施設での長期収容など、日本にいる外国人への対応には問題が山積しています。国が掲げる「多文化共生」の内実を問います。

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入管法改正案の問題点は? 国連専門家ら指摘、上川法相は不快感

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国連人権理事会の特別報告者らが日本の入管法改正案に懸念を示したことを受け会見した人権団体や弁護士グループの関係者ら=2021年4月6日午後3時39分、和田浩明撮影
国連人権理事会の特別報告者らが日本の入管法改正案に懸念を示したことを受け会見した人権団体や弁護士グループの関係者ら=2021年4月6日午後3時39分、和田浩明撮影

 日本政府の入管行政に、国際的専門家からの厳しい批判が再び突きつけられた。政府が2月に国会に提出した出入国管理及び難民認定法の改正案に、国連人権理事会の特別報告者3人と恣意(しい)的拘禁作業部会の4者が「移民の人権保護に関し国際的な人権基準を満たさないように見える」との書簡を4月5日公開した。上川陽子法相は6日、法案の妥当性を強調したが、日本は昨年も外国人の入管施設収容が「恣意的拘禁にあたり国際法違反」と指摘されたばかり。何が問題視されているのか。詳報する。【和田浩明/デジタル報道センター】

入管法改正案「国際人権基準満たさず」 国連特別報告者ら

 共同書簡は、移民の人権に関する特別報告者フェリペ・ゴンサレス・モラレス氏▽恣意的拘禁作業部会のエリナ・シュタイナーテ副委員長▽宗教と信条の自由に関する特別報告者アフメド・シャヒード氏▽拷問等に関する特別報告者ニルス・メルツァー氏--の4人が連名で出しており、3月31日付だ。

 ちなみに、特別報告者は、日本も理事を務める国連人権理事会が任命する独立した専門家。理事会の設定した任務に基づき世界の人権侵害などに関し調査・公表する。5人の専門家などで作る作業部会も同様の機能を持つ。いずれも国際人道法の専門家や関連分野での活動実績を持つ人々だ。

 書簡は入管法改正案について「移民の人権の保護に関し、複数の側面で国際人権基準を満たさないように見える」と指摘。5分野で問題点を指摘した。

 第一に挙げられた懸念は、二つの…

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